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心が固まっていませんか。

泣いている子どもに「泣くな!」と怒鳴ってしまうお母さん。
泣くなと怒鳴っても余計に泣くだけだって、わかっているのに怒鳴ってしまう、悪循環……。
同じような悪循環が、自分ひとりの心のなかでもしょっちゅう起こっています。

落ち込んでいる自分に「落ち込むな!」と命じたり、悲しんでる自分に「悲しむな!」と突き放そうとしたことはありませんか?
そんなことをしたって、心が晴れることはなかったはず。

泣くなと怒鳴られると余計に泣く子どもと同じように、自分で自分を追い込んでますます苦しくなってしまったと思います。
泣けることも、落ち込むことも、悲しみに沈むことも、そうなったわけを汲み取ってほしいという“心の声”の表れなのです。その声なき声を汲み取ってあげることが大切です。

心にはふたつの性質があります。
「固まる」か「ゆるむ」か。
・心が「固まってくる」と――不快になり、攻撃的になり、自己嫌悪を感じて、自分を認められなくなります。
・心が「ゆるんでくる」と――気分がよくなり、余裕が生まれ、自分に満足して、人にもやさしくなります。

心は「固まるか」「ゆるむ」かのどちらかなのです。少しでもいい刺激を与えて、いつもゆるめておきたいものですね。
もし、自分の心が固まってきたと感じたら、人に当たって自己嫌悪に陥る前に心をゆるめましょう。

即効性を求めるなら『深呼吸』がいちばんです。
感情が乱れたときの呼吸を思い出してみてください。怒りがわくと、鼻息が荒くなって呼吸が浅くなります。
そんなときは、時間をかけて息を吐ようにしましょう。

鼻からたっぷり息を吸い込み、口をすぼめて少しずつ吐く。
吐く息に心を集中して、この呼吸を最低2分間行います。目をつむったほうが集中しやすいでしょう。
心身は一体なので、脱力することで心もゆるみ、落ち着きを取り戻すことができますよ。

根源的な改善を求めるなら『発想の切り替え』が必要です。
心をゆるめるものは「愛」、心を固めるものは「怒り」。
心を固める怒りは、「こうでなくちゃイヤ」「これでなくちゃダメ」といった物事へのこだわりから生まれます。

こだわりは「うまくいかなかった過去の記憶」が作り出したもの。その記憶をたどって、原体験にある自分自身への怒りを解放しましょう。
たとえば、人前で何かさせられそうになると心が固まるとしたら、子どものとき、みんなの前で何か失敗して大恥をかいたことがあるのかもしれません。

その体験を許し、「恥」は「悪」ではないと肝に銘じましょう。
そうすれば、「また失敗すると決めつけないで」「精一杯やればいいと認めて」「勇気を出してみて」と叫ぶ “心の声” をきっと汲み取れるようになるでしょう。

こだわりを捨て、あるがままの自分を受け入れる。すると、心はどんどん広がっていきます。
広がった先にあるのは、愛の世界。それは人に求めたり、人から与えられたりするものではなく、心をゆるめればだれもが暮らせるようになる、心の世界なのです。


★ 著書『やさしくて、ちょっぴり不器用なあなたに。』(サンクチュアリ出版)より★



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