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やさしすぎる、あなたに。

「単刀直入にものを言う」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
相手の気持ちをムシしてズバッとものを言うことは、思いやりがない、やさしくない……? 
もし、そんなイメージが浮かぶとしたら、やさしいあなたは相手の気持ちを考えて言いたいことも言えなかったり、なかなか本音を切り出せないという体験をしょっちゅうしているかもしれませんね。

『単刀直入』(たんとうちょくにゅう)は禅語です。
いきなり本題に入る、という意味ですが、私はこう解釈しています。

単刀直入にものを言って核心に触れることは、相手に対する“思いやり”と。
たとえば、「こう言ったらイヤがられるかな。もしかしたら相手を傷つけてしまうかも……。いや、自分が憎まれるかも……」とあれこれ考えて“遠回し”に言ったとします。

すると、今度は相手にも「本当は何が言いたいんだろう……?」とあれこれ考えさせることになってしまうんです。
そんなふうに余計な心労を与えることは、かえって不親切だと思いませんか。あなたが最初から本音を言えば、相手は気を回さなくてすむからです。

ただ世間には、単刀直入にものを言うことを避けようとする人たちが多いのも事実ですよね。
あなたもそのひとりで、ズバッと本音を言うことに抵抗があるとしたら、それで相手を怒らせたり、逆ギレされて自分が傷ついた経験があるのかもしれません。

だからと言って、いつも本音をはぐらかしていたら、本音をはぐらかす人しか寄ってこなくなって、結果、上辺の付き合いしかできなくなってしまいますよ。

単刀直入にものを言う勇気を持ってください。
そこで大切なことは、けして胸に一物を持たないこと。
万が一にも、相手に対してイジメたいとか、仕返ししたいというネガティブな感情があると、相手をズケズケ批判して、ついつい攻撃してしまうからです。

本来、単刀直入にものを言う人には、そうしたよこしまな心がまったくないから潔い。それどころか、相手を思いやる気持ちにあふれているから正直さが際立つのです。

自分が単刀直入であろうとすると、ほかの人がズバッと発言したとき、心に曇りがあるかないかがすぐにわかります。
それをよーく見極めて、友だちやパートナーには、真に正直で誠実な人を選んでくださいね。

「ハッキリ言ってくれて、ありがとう!」と伝え合える関係は素敵です。
そこには、強い信頼関係と向上心があるから。ぜひそれを目指しましょう。

――単刀直入――

     ★ あなたの生活に禅語を、著書『こだわらない とらわれない
       もう、悩まない』(サンクチュアリ出版)より★


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