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「週末トレインどこへいく?」×岩波新書「5G」

はじめまして、アニメ探究者のヒデヨと申します。今回は、アニメ「週末トレインどこへいく?」の7Gについて考察してみました。使用した参考文献はアニメ本編と森川博之「5G」という新書です。

早速ですが、結論として次のような考えが導き出されました。

このアニメの黒幕は日本以外の海外の誰か、何らかの集団である。またその目的は日本人の尊厳破壊にある。

経緯を説明するためにも改めて7G事件について振り返ってみましょう。
ポンタローの説明によりますと、5G、6Gと乗り遅れた日本が今後の鍵を握るために推し進めたモノが7Gだと説明されています。実際、作中のグラフを見てみると7Gは日本がシェアを100%独占しています。実際の7Gの概要について彼はまとめてくれています。

「脳に浮かんだ思考を直接読み取りすべてのデバイスにアップロード、思う即伝わる、考える即動く、まさに神の力の使い手となるそれが7G」

脳に埋め込んだチップなのか、脳波なのかをデバイスと接続することでデバイスを直接思った通りに動かすことができるということですね。スターウォーズのジェダイがフォースで物を動かしたり、機動戦士ガンダムUCでバナージがユニコーンガンダムを考えるだけで動かすことができたことを考えると夢の技術ですね。
 しかし、実際に7Gが走ってからは日本は混乱に陥りました。葉香がボタンを押した直後に巨大化したヤシの木、キノコ、ひまわり、地面にささった飛行機が池袋に出現し町は終末世界のように老朽化しました。その2年後である令和6年では吾野村において人間が動物に変わった現象が見られます。そこでは、21歳になると人間は動物に変わってしまうそうです。

 以上の7Gのポイントをまとめると次のことが言えます。
・人は自分が思った通りにデバイスを動かすことができる
・日本がシェア100%である
・7gが始まった結果、周辺環境のみならず人間にも影響を及ぼしてしまった

この中で注目すべき点は人間にも影響を及ぼしてしまったことです。作中序盤において7G反対派がいたことが確認できますが、彼らにもおそらく7Gの影響は出ています。つまり、脳に能動的にチップを埋め込んだ人が影響をうけたのではなく脳波を持っている人間全体が影響を受けたと考えられます。そのうえで日本がシェア100%ということを考えると日本人は例外なく7Gの影響を受けたと言えるでしょう。
 そうなると善治郎の発言が気になってくるところです。
「物理法則を破壊しかねないというあまたの研究者たちの警告には耳をふさぎ利益享受者たちの不確かな情報だけを鵜呑みにする」

この利益享受者はだれなのでしょうか?少なくとも日本に在住ではないでしょう。そして最初の私の結論に戻ってくるわけです。

このアニメの黒幕は日本以外の海外の誰か、何らかの集団である。

次に黒幕たちの目的について考えてみましょう。そのために森川博之「5G」の序章、一章、二章、終章を参考にしました。
 そもそも現在普及が進んでいる5Gと私たちが使っていた4Gの違いとはなんだったのでしょうか?消費者としての私たちからすると通信速度が上がって動画が見やすくなったことが恩恵ですね。しかし、よりビジネスに寄って考えてみるとインパクトは巨大です。森川は次のように述べています。

「5gは人のみならずモノを対象とすることから、あらゆる産業分野が5gの顧客だ」

4gまでは人とデータをつなげることができました。lineのメッセージを受け取ったり、youtubeの動画をスマホ上で流したり、noteでこの記事を皆さんが見ることだってそうです。一方で5Gではモノとデータを繋げることができます。例えば、自動運転の場合は自動車が動くシステムをそれぞれの自動車ではなく会社に置くことによって急なトラブルに個人が対応するのではなく会社が対応できるようになります。もっと簡単に言えば電車や飛行機、工場などから人が消えるのです。なぜならあらゆるモノが通信でつながるようになるからですね。そのため、大規模な5Gは大規模なお金を生むと考えられています。
 ここからは私の考察になりますが、大規模なお金を生むモノに比べて人は価値をなくしていってしまうのではないでしょうか。人とデータを繋げても私たちは動画などを見て消費しかしませんから。それよりもモノとデータを繋げることによってより多くのことを達成できます。無人運転、無人探査機、無人工場。。。。

 話を7Gに戻しましょう。7Gにおいて人は自分が思った通りにデバイスを動かすことができることがポンタローによって説明されました。つまり、5Gにおいて通信システムはモノが主体になった一方で7Gにおいては人が主体になったと言えるかもしれません。一見素晴らしいことのように見えます。モノよりも人の方が価値があるものと考えることもできますからね。しかし、逆の見方をすれば人特有の考えること自体が通信システムの中に取り込まれてしまったと言えるのではないでしょうか。つまり人はモノと完全に同列な存在になったと考えられます。

いきなり抽象的な説明になってしまったので具体的な話をしましょう。今でも普段スマホを使っていて海外のサイト、怪しいサイトでボタンをクリックするとウイルスに感染してしまい個人情報が抜かれるという事例は多くあります。この事象においてはスマホはデータを受け取るだけなはずなのにデータがスマホを操っていると言えます。同じことが人においても言えるのです。通信システムにつながった人はデータに操られる存在になりえます。そもそもお金の観点から考えると通信システムに取り込まれた時点で人もそのビジネスの駒でしかないのです。

 最初の結論に戻ってみましょう。

その目的は日本人の尊厳破壊にある。

日本人の尊厳破壊とは人特有の考えることが通信システムに取り込まれてモノと同列になってしまったことです。ハッキングすれば操れるという点においては無償で働く労働力になったとも言えるでしょう。
 結論、「週末トレインどこへいく?」その黒幕は海外の誰か、集団であり目的は日本人の尊厳破壊ということがわかりました。黒幕については論理の飛躍が激しいところがあると思いますが、その目的についてはある程度信頼性があるのではないかと考えています。なぜなら、その引用元がすでに研究を重ねられ出版された本であるからです。


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