じいちゃん、ありがとうね。

最期、看取れなくて、ごめんね。
最期、家に連れて帰ってあげることができなくて、ごめんね。

寂しくなかったかな？
苦しくなかったかな？
幸せだったかな？

去年の12月の96歳の誕生日に髪の毛を切りに病院に
行ってから会えてなかったね。もうここ数年はずっと髪の毛僕が切ってあげてたね。バリカンで坊主にしてあげるだけだけど、だいぶ上手くなったよね。

今年入って、退院できるってことになったけど、
やっぱり家での生活は車椅子には適してなくて、
寒いところだとまた心臓に負担もかかるしさ。一昨年もだけど12月にまた救急車で運ばれたよね。

希望した介護施設になんとか入れて、2月だったけな？
そこも３か月の滞在限度だから、また暖かくなったら家帰ろうねって。

3月に入ってコロナの影響で面会できなくなり、4月に入って、
じいちゃんが発熱が続いてるって施設から連絡もらって。。

そして、その後、院内スタッフからコロナ感染者が出たって。。

PCR検査受けて陰性の連絡もらって少しほっとしたな。。
でも、施設の入居者の感染者は日に日に増えて。

4月の20日の朝一に連絡もらって、昨晩から高熱を出してて、
今晩まで持つかどうかって。
再度PCR検査も受けて夜にはわかるって。

面会もできないし、実家には90超える祖母もいるし、
両親もいい歳だし、帰ることも躊躇ったな。

人生で初めて何もすることができないっていう状態だったよ。

それから15時すぎて連絡入って。。
息を引き取ったって。。

ただただ泣くしかできなかったな。
ただただ声を出して泣いたよ。

ごめんね、じいちゃんって。

間も無くして2回目のPCR検査も陰性だったって。

頑張ったね、じいちゃん。
頑張ったね。

その後、家族やいとこと連絡とって夜に実家の松戸に帰ったな。
じいちゃんの知らせを聞いてから、何もできないから仕事に打ち込んだけど、途中の記憶はないよ。

最後の最後までじいちゃんが頑張ってくれたおかげで、
みんなでじいちゃんの顔見れたよ。

家族葬だったけど、しっかりお別れできたよ。

ありがとね、じいちゃん。
骨もしっかり拾ったからね。

ありがとね、じいちゃん。

家族葬だけど立派にできたよ。お花も綺麗に飾ってもらって、いつもお世話になっているお寺さんにお経も上げてもらってさ。
素晴らしい戒名も頂いたよ。

いっぱいじいちゃんとの思い出を思い返したよ。
じいちゃんの部屋で布団敷いて寝たよ。
畑や野菜市場、立て直した神社にも足を運んだよ。

じいちゃんは、ニュースもそんな見てなかったから、
コロナって何かきっとわかんなかったよね。
施設がクラスターになった時は、祈るしかできなかったよ。

じいちゃん、頑張れ。
じいちゃんは、俺のじいちゃんだから、絶対大丈夫ってずっと祈ってたよ。

じいちゃん、俺のじいちゃんでいてくれて、ありがとね。
たくさんたくさんありがとう。

今の家族がいて、生活できているのは全部、
じいちゃん、ばあちゃんが農家一筋で頑張ってくれたおかげだよ。

ありがとね。

ホントはね、こういう家族の話をさ、
お酒飲みながら、こういう話ができる友達に話したかったんだよね。
なんでだろうね。

自分の中にこの大きい気持ちを閉じ込めておくには無理があるんだろうね。
たくさん聞いてもらって、たくさん泣いてたと思うな。

いい奴らばかりだからさ、一緒に泣いてくれると思うな。

じいちゃん、骨になっちゃったけど、
やっとおうち帰れたね。

もうゆっくりしていいからね。
足腰も軽いでしょう？
たくさん日本酒飲んで、たくさん美味しいもの食べようね。

じいちゃん、最後まで頑張ってくれてありがとうね。
じいちゃん、ごめんね。
じいちゃん、ありがとうね。