虚空の人 清原和博

「虚空の人 清原和博を巡る旅(鈴木 忠平)」 https://www.amazon.co.jp/dp/4163915761/

を一気読みした。

鈴木忠平の前著

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか(鈴木 忠平)」 https://www.amazon.co.jp/dp/4163914412/

が、凄く面白かったので
今回の本は迷わず購入したが、
正解だった。

清原という怪物を
初めて理解できた気がした。

西武ライオンズの黄金期、
秋山、清原、デストラーデが
クリーンナップだった頃、
西武球場によく足を運んでいた。
外野席が芝生だったため、
敷物を持参して。

一番の目当ては
サードの石毛宏典だったけれど、
その他の選手、
辻発彦、金森栄治、田辺徳雄、伊東勤、
渡辺久信、松沼兄弟なんかも
大好きだった。

私の記憶の中では
最初、ファーストは清原ではない。
確か、片平という選手だった。
けれど、清原が入団すると
その年にレギュラーを掴み、
30本を超えるホームランを放ち
新人王を獲得するまでの活躍をする。

あとワンナウトで
リーグ優勝が決まるとき、
清原は泣き出す。
ライバル桑田真澄に
出し抜かれる形で
ジャイアンツに指名されなかった
悔しかった思いなどが駆け巡ったのだろう。

セカンドの辻発彦が
まだ終わってないぞ、みたいな感じで
清原に声をかけているシーンは
今でも脳裏に焼き付いている。

ただ、今思えば
甲子園の活躍から
あの最初の年の優勝が
清原の絶頂だった。

清原にとっての
ホームランは
のちに手を出す
覚醒剤と同じだったのだと思う。

その一本が
全てを忘れさせ
恍惚とした世界に
誘ってくれる
魔法だったのだと思う。

何かに依存しなくては
生きていけないほど

実は、清原は繊細で弱い男だった。

でも読みながら、
私自身の
男の部分というか、
不器用でどうしようもない
無様なもの全てを、
清原が体現しているように感じ。
他人事とは思えなくなった。

だから清原は
人を惹きつけるのだろう。

彼のことを
理解できたし
決してかっこいいとは
思わないけれど、
これからも
応援していきたいと思った。

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