ネイバーズの感想

ネイバーズ(2014)

閑静な住宅地に念願の一軒家を買った主人公夫妻、産まれたばかりの娘とともに穏やかな生活を送っていた。
ところがある日、隣の家に学生団体が引っ越してきて毎晩パーティー騒ぎ、彼らをなんとか追い出したい主人公達と追い出されてたまるかという学生の攻防が始まる。

あらすじはこんな感じ。
ただのパーティー野郎共かと思いきや周囲の住人達に取り入って通報されるのを防ぐような学生達の如才の無さが笑える。話に聞くヤクザのご近所付き合いと全く同じ方法論だもの。

ディルド販売とかエアバッグトラップとか基本的には超笑えるおバカコメディなんだけど、最後には泣いてしまった。なぜならこれは学生達の青春の終わりの様子を描いた映画でもあったからだ。

ザックエフロンははたから見たら滑稽でしかないような夢(最高のパーティーを開いてデルタサイの歴史に名を残す)に取り憑かれて学生時代を棒に振ってしまった。そしてその夢も今目の前で崩れ去ろうとしている。そんな中で彼はせめて自分の仲間達を守ろうとして崩壊するデルタサイと運命を共にする。
"Delta Psi forever!"とはつまり、終わってしまった青春との別れの言葉だ。
このシーンで流れる「Hurt Me Tommorow」が超良かった。

そして青春の終わりというのは子供を持って old people となった主人公達が通り過ぎた道でもある。だから最後、セスローゲンとザックエフロンのかつての仇敵同士の再会はあんなに穏やかなものになったんだと思う。

エンドロールに関して

この映画も前に見たロング・ショットと同じように
後日談的な落ち着いたトーンのシーンで全編を総括するようなセリフと仕草から主題歌の盛り上がりに合わせて暗転、スタッフロールが流れ始める。
という流れの終わり方だったんだけど、ロング・ショットほどは心を動かされなかった。多分終盤では学生達に感情移入していたので主人公家族にフィーチャーした終わり方があんまりしっくり来なかったんだと思う。

何はともあれ超面白かった。続編があるらしいのでそれも近いうちに観る。


K'NAAN - Hurt Me Tomorrow

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