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『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』の感想。

今まで生きてきてよかった!ありがとう!本当にありがとう!今年1幸せな28分×8話だった!!!

絵柄がマジで本当に最高!!!

エドガーライトの実写映画版は人生ベストレベルに好きな映画だけど、わずかに、ほんのわずかにこっちの方が好きかもしれない。
異常なテンポでこっちの頭をぶっ飛ばして来た映画版に対して、こっちはもっと各キャラによりそった作りになってる。

これは実質的に映画版の続編になっている。
しかも、前作に密かに存在していた問題に対する回答になってるパターンのやつ。
映画版の視聴が前提とまでは言わない。これ単体で見たとしても今年1のアニメだったと思う。でも映画版を見てからこっちを見ることで、面白さが10000倍になる。

第1話は、その大半が映画版を丁寧になぞったかのように偽装されている。
しかし分岐の予兆として、映画版で名曲"僕は悲しく、すごく悲しい"を披露したクラッシュアンドボーイズが演奏を辞退。
そして決定的な分岐が発生して1話が終わる。

巡礼が必要なのはピルグリムではなくラモーナだったと。そういう話。
考えてみれば当然の話で、ひどい捨てられ方をして、未だに想いを引きずっている元彼達がいるのなら、真に彼ら彼女らに向き合うべきなのはスコットじゃなくてラモーナ自身だ。

ああそっか!ラモーナの巡礼にだけ注目してたらダメなんだ。
元彼全員がラモーナへの未練を残してる訳じゃない。例えばマシューはCEOになることで、グースはジュリーと再会することで、ヴィーガンはウォレスと出会うことで次へと進んでいる。
もっと言えばナイブスだって、バンドを始めることで次に進んでいる。
元彼達みんな、スコットとラモーナの物語に奉仕する必要なんてない。

ラモーナは贖罪のためじゃなく、スコットを探すために彼等と話す。そして次に進んでいく彼等を見る。
じゃあラモーナは?
ラモーナは次に進まないって言えるのか?
ラモーナにとって火花の散るキスは初めての経験じゃない。だからスコットも唯一の存在ではない。
それでも多分大丈夫。離れちゃったら探しに行けば良いし、忘れちゃったらまた教えてあげれば良い。

ラスボススコットの「ああ!こっからかよ!サイテー」ってセリフの悲壮感の無さがすごい好き。
ラモーナは14年後も、そして多分24年後も配達してるんだよな。
この辺の、暮らしの変化のなさ、人生の無駄使い感がすごい好き。
スコットもそうだ。彼は元々バンドで成功することに微塵も興味がない。彼等は人生を積み上げていくものと思ってないので、無駄使いという認識もない。引きこもって修行して、気付いたらなんか10年経ってたというだけだ。

OPの感想。

最高だった。毎話飛ばさずに見ていた。
ネクライトーキーってチョイスがまず良すぎる。ダメ人間のうだつの上がらない日々をポップに歌ってきたネクライトーキー。唐突にお化けが出てきたり宇宙に行ったり、そのフワフワした世界観もスコットピルグリムにピッタリ。
「砂利がカラカラだった」の部分の、ウォレスが指をさしてスコットがポーズを決めるアクションがめっちゃ気持ち良い。

その他、細かな感想。

・神曲のBlack Sheepを少しだけでも流してくれたのが良かった!!

・ロキシーが可愛過ぎた。3話最高!
説明無く映画という異世界にぶち込まれるバトルシーンが、まさにスコットピルグリムって感じだった。

・ウォレスの出番が増えてたのが嬉しい!「トレーラーで本読みする?」

・エドガーライトじゃなくてEdgar Wrong

・ロボットヴィーガンとかいう単語面白すぎる。

・「ああ、あとロボットも」面白すぎる。

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