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天神岬から山田浜へ

2022年7月10日(日) Day 1 -  その1

天神岬スポーツ公園

福島県双葉郡楢葉町。いつもの木戸駅ではなく、今回はひとつ先の竜田駅を拠点にする。宿泊先の天神岬スポーツセンターは岬の高台にあって、ここからフレコンバッグの積み重なる仮置場があった前原地区と山田浜、遠くにJERA広野火力発電所(旧東京電力広野火力発電所)を一望できる。自分は楢葉町で帰還が始まる直前の2015年6月にこの地を初めて訪れ、そして去年2021年2月に再訪した際に公園内にある宿泊施設が営業再開していることを知った。

天神岬スポーツ公園 手前は天神原遺跡

高台の小さなスポーツ公園は1992年に開設されている。楢葉町と富岡町の町界には1982年に営業が開始された福島第二原子力発電所があり、そのこととこの施設も多少は関係あるはずではないかと思っている。第二原発は現在廃炉作業を進めている。

福島第二原子力発電所はこの先の岬の後ろ側にある

ここには温泉施設があり、それはこの地が旧常磐炭田の最北端にあったことと関係がある。少なくとも掘れば温泉が出る土地ではあるのだ。木戸駅も竜田駅も貨車駅として1889年に開設され、またそれぞれの駅から運搬用に専用軌道が敷かれていたという。もちろん双葉炭田はいわきの炭鉱と比べれば規模が遥かに小さく、石炭から石油にエネルギー需要が移行することによって、昭和31年には早々と閉山し石炭事業から撤退してしまう。炭鉱の遺構は残っていない。いずれにせよ、現在に至るまで福島は首都圏のエネルギーの供給場なのだ。


今の季節、朝4時半はもう少し明るい。キャンプ場かコテージの宿泊客か、すでに観光地の日曜日は始まっている。コロナ自粛に見切りをつけ少し遠出をと思うのは誰しも同じ気持ちだろう。やや遅れて犬を連れた夫婦とすれ違う。

前原地区と山田浜、遠くにJERA広野火力発電所。津波が駆け上がった。

山田浜へ

新たに開通した広野小高線を折り返すように、急な坂道をゆっくりと海の方へ下りていく。目の前に開ける山田浜。そしていつもの風景。

木戸川と山田浜
津之神社河岸稲荷

<続く>竜田駅と双葉駅、請戸小学校まで

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