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去年マリエンバートで/アラン・ レネ監督

『去年マリエンバートで』 。4 Kデジタル・リマスター版を見ました。
http://www.cetera.co.jp/marienbad4K/#about

アラン・ レネ監督作品で、1961年のヴェネツィア金獅子賞のあまりにも有名なフランス映画(仏伊合作)です。劇場で見たのは今回が初めて。

もっとも、この『去年マリエンバートで』があまりにも有名なのは「難解さ」らしく、確かにそういう意見(そういうこと言うのはほぼ男性なんですけどね)は多いですね。でも、それならレオス・カラックスとかピーター・グリーナウェイとか「超難解」ですけどね...。そもそも映画だって美術だって「意味」なんて見る人が自分で考えるものでしょ?

主人公の男Xが女Aに向かって「去年マリエンバートで会ったこと」を何度も説明する。ただそれだけの映画なわけです。女Aは素っ気なく、男Xは駆け落ちを提案して女Aが「1年待って欲しい」と言ったと。それだけ。登場人物はもうひとりAの夫Mという男がいて、その3人の時系列の軸をバラバラに繋いだものがこの映画なのですが、そのあたりは脚本を書いたロブ=グリエの創作なんでしょうね。

どちらかといえば分かりやすい映画だと、私は思いましたが。リニアな時間の流れなんて人間の内部には生じないだけなのではないでしょうか。「映画」というのは、結局「カット」と「カット」の「繋ぎ」だけでできていて、そのことだけが見る人の感情を動かす...、例えば「絵画」は「タッチ」と「タッチ」の「繋ぎ」だけでできて ... というのと同じような感覚ではないかしら。

デルフィーヌ・セイリグの美貌とココ・シャネルが担当した衣装がモノクロ画面に引き立ちます。

監督:アラン・レネ  出演:デルフィーヌ・セイリグ | ジョルジョ・アルベルタッツィ
2019年12月28日鑑賞

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