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大いなる幻影/ジャン・ルノワール監督
『大いなる幻影』(デジタル修復版/ジャン・ルノワール監督、1937 年製作)は名作ですからご覧になっている方も多いと思いますが、私は今回初めて見ることができました。川崎市が運営しているミニシアターがあって、その10周年記念事業としてこの映画を「配給」しています。川崎市民としてもちょっと誇らしいです。
https://kac-cinema.jp/ooinaru-genei/
この『大いなる幻影』は、想像以上に多くのことが書き込まれた映画ですが、美しい画面(父親譲りかな?)と、フランス映画らしいユーモアも交えながら、情景描写で登場人物の感情の距離を捉えていくカットの生み出す映像世界に魅了されますね。やはり不朽の名作であり傑作でありました。
第1次対戦下でドイツ軍の捕虜となったフランス人将校たちの姿を描いているのですが、主演のマレシャル中尉を演じるジャン・ギャバン以上に、後半での収容所長ラウフェンシュタイン(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)とポアルディウ大尉(ピエール・フレネー)、二人の貴族階級出身者の友情を描いたところが特に印象的だと言えるでしょう。これから第2次大戦に向かうというこの時代に、これが最後とも言える騎士道精神を描くことで、反戦としての意思表示を組み込んでいるわけです。
当時、フランスでさえも上映に賛否両論が起こり、日本では1938年に輸入されるも検閲により上映禁止となり、戦後1949年になって上映が実現したということです。21世紀のこの時代に改めて見るべき映画だと思います。機会があればぜひ。
監督:ジャン・ルノワール 出演:ジャン・ギャバン | ピエール・フレネー
2018年2月13日鑑賞
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