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富岡駅と

その3 2024年6月29日 土曜日

富岡駅と

承前 前日にこちらに戻ったばかりだが、午前中の仕事を終え、横浜経由でふたたび品川へ。木曜日と同じ14時45分発常磐線特急ひたち17号に乗車。17時14分いわき着。下り原ノ町駅行き各駅停車に乗り換える。

17時17分いわき駅発。夕方の車内も、木曜日と土曜日とでは目に映る風景が一転する。私服姿の高校生が、労働者風の男性が、買い物帰りの親子がいる「日常」。隣で満足げにカプセルトイの空ケースを手にするのは…留学生なのだろうか。四倉駅で降りて行った。震災以前のことはわからないが、週末にはこういう「日常」があっただろうと想像する。

広野駅からは、少し幼い顔(中学生だろうか)をした制服姿の男子と女子が別々のドアから乗り込んでくる。17時56分富岡駅着。ひとりは自分と同じ駅で降り、もうひとりはまだ先まで行くようだ。

ホテルで荷物を解き、まだ日が残る富岡駅の周辺を小1時間ほど歩いた。2021年に完成した駅舎を跨ぐ巨大な陸橋「汐橋(うしおばし)」から、南側には富岡浄化センターの建物が見下ろせる。この先は全て空き地になっているが、YouTubeで2017年の映像をみると、ここには仮置き場と減容化施設があったようだ。浜街道を福島第二原発の方角に20分ほど歩き、堤防の上を歩いて戻ってくる。道路案内表示が書き換え途中だ。

富岡浄化センター
第二原発が見える
振り返る
旧堤防が残っている
行き先の無い看板

汐橋から駅へと下る未整備の小さな公園の斜面に、夕日を受けた合歓ねむの木が、ポツリと1本だけ立っている。糸のように細いピンク色の花弁が、今まさに満開の装いだ。おそらく誰かがこの場所に植えたのだ。続く。

ねむの木


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