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香港画/堀井威久麿監督

021-02-11鑑賞


香港が中国に返還されたのが1997年。自分は1994年から96年迄ロンドンの大学院にいて、卒業後はクラスメイトら2人とフラットシェアしていた。クラスメイトはその後香港に帰ることを選択し、香港の美術界ではそれなりのポジションを得たようだ。ある時点までは、香港の一国二制度(高度な自治)もそれなりに機能していたように思う。

2014年の反政府(香港特別行政区政府)運動、通称「雨傘運動」を記録したドキュメンタリー映画『乱世備忘 僕らの雨傘運動』(チャン・ジーウン監督)が思い出される。共産党が支持しない候補を選挙から排除する仕組みを導入した「8.31決定」に対し、民主的な普通選挙を求め、金融街・中環(セントラル)を占拠した若者たちの運動を撮った映画だった。結果としては占拠を解かれることにはなるが、市民によるデモが効力を示すにつれ、支配者側からの圧力はその後ますます厳しいものとなっていく。

さて先日見た『香港画』(堀井威久麿監督)は、2019年-2020年にかけての「逃亡犯条例改正案」に端を発する香港民主化デモのうち、2019年10月25日から2020年1月2日までの2ヶ月間を記録したドキュメンタリーだ。。撮影する本人にも危害が及ぶ中、デモに参加する市民に対する警察権力の過剰な暴力/弾圧が生々しく描写されている。28分の映像だが、非常に中身の濃いものになっている。
http://hong-kong-ga.com/

その後もコロナ禍の中、中国政府の民主化運動への弾圧は続き、昨年12月には「雨傘運動」で注目を浴びた黄之鋒や周庭に対し禁固刑が言い渡されたのは記憶に新しい。香港の状況については非常に危惧している。目をそらすべきでないことは言うまでもない。

監督:堀井威久麿

『乱世備忘 僕らの雨傘運動』のトレーラーを以下に。『香港画』のそれと比べて見て欲しい。
https://amagasa2018.com/解説物語/


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