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木戸駅と

2023年3月30日(木) Day 2 その1(朝)

 朝5時半、すでに労働者同志は食堂の席に着きそれぞれが無言で朝食を取っている。食堂の入口付近に、空腹に耐えかねた中学生男子がひとり、おどおどと中の様子を伺っている。このホテルでは今まで巡り合ったことのない宿泊客だ。

 1.5キロほど先にあるJヴィレッジはサッカー複合施設なのだが、合宿なのか試合なのか、少年たちはこの地を訪れたのだと思われる。 国際試合に対応するJヴィレッジだから施設内のホテルは高額であり、近隣の広野か木戸でホテルを探したのだろう。これも復興として(コロナ禍後としても)あらかじめ予測された需要のひとつかもしれない。

朝まだき

 昨日は気がつかなかったのだが、駅舎が新しくなっていた。以前撮影した写真と見比べてみると、さらに小さくコンパクトになっていた。今はSuicaのゲートと小さな待合室だけである。

 チェックアウトまでの時間、駅前のレンタサイクルを使って周辺を走ってみる。予約も決済もネットだけで完結する仕組みだ。駅から海岸まで直線距離で1キロほど。山田浜はいつもどおり広野の火力発電所を臨む穏やかな風景だが、木戸川の河川敷にはいつの間にかアスファルトで舗装された駐車場ができていた。

 生きているのか、死んでいるのか。行くたびごとに気になってしょうがないこの4本(あるいは5本か)の木々を眺める。

9時52分木戸駅発下り。10時05分富岡駅着。

つづく

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