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心と体と/イルディコー・エニェディ監督

ハンガリーのイルディコー・エニェディ監督の『心と体と』。2017年ベルリン国際映画祭の金熊賞(最高賞)です。ハンガリー語というのは聞きなれないこともあり、言葉の響きが新鮮です。映像も一つ一つのカットが繊細に計算されていて美しい映画ですが、イルディコー・エニェディは1955年生まれの女性監督だそうです。
https://www.senlis.co.jp/kokoroto-karadato/introduction/

「不器用な」男女を描いた今時珍しいほどの純愛映画で、それも社会的な背景(例えば舞台が食肉処理場)や個人的な「傷」の背景にも立ち入らないという、やはりメジャーな映画祭的な動きとはやや異なる立ち位置の映画です。

それでも細かく見ると「女性監督」らしい(というのはかなり映画の無意識の裏返しでもある訳ですが)、描写ではあります。食器などの「もの」の描写、指先の繊細な動き、瞳の表情など、この主人公の女性の振幅の少ない感情と、その微かな変化を捉えています。同じテーマでも使い古された物語に収まらないのはこの部分かと思います。

監督:イルディコー・エニェディ  出演:アレクサンドラ・ボルベーイ | ゲーザ・モルチャーニ
2018年6月25日鑑賞

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