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ジャコメッティ 最後の肖像/スタンリー・トゥッチ監督

『ジャコメッティ 最後の肖像』(スタンリー・トゥッチ監督)を見ました。画家や彫刻家を描く映画というジャンルがありますが、いつも見ようか見まいか迷うわけです。ドキュメンタリーならともかく、作品をよく知る作家の作られた作家像を見るのにはなかなか勇気がいります。まったくのフィクションでも無いし、とはいえたいていは堪えきれずに見てしまうのですが。
http://finalportrait.jp/intro/

ジャコメッティは写真資料がたくさん残っていますし、アトリエの様子などかなり忠実に再現されているように見えます。そういう点ではなかなか刺激されます。しかしジャコメッティってこんなに流暢に英語も喋るのですかね。

はじめに、映画を見る人が誤解するといけないので断っておきますが、要するにこれはコメディーですね。「最後の肖像」と言うぐらいぐらいで、晩年のジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)を描いているのですが、これが想像以上にとんでもない奴なのです。

後に「ジャコメッティ最後の肖像」という本を書くジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)がモデルとして彼に向き合う18日間のお話で、取材のチャンスとはいえ完成する希望が見えない絵のために1日1日と予定を引き延ばされるジェイムズのプレッシャーが描かれています。でもまあ、矢内原は230日ぐらいモデルをしていますから、18日など短いものなのですけどね(映画には矢内原も一瞬だけ出てきます)。

映画的には一応最後には「ジャコメッティっていい奴じゃん」という感じで終わりますが、このタイムリミットで絵を完成せざるを得ないジャコメッティの寂しそうで自信なさげな表情が見ものでしょうか。

監督:スタンリー・トゥッチ  出演:ジェフリー・ラッシュ | アーミー・ハマー
2018年2月19日鑑賞

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