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21世紀に必要な情報判断力:歴史事例編

21世紀における大切な一般教養または知恵の1つに「情報判断力」があります。ざっくりいうと、インターネット上のフェイクニュースに騙されないための素養または力です。この力は、歴史の勉強を通じて身につけることが可能です。そうして、この切り口で歴史を見るようになると、1945年第二次大戦終了(1945=ひどくよごれて…みたいなゴロ覚えで歴史に興味をうしなってしまった私のような人も歴史を楽しく学べるようになります

どっちのニュースが正しい??

どういうことかケーススタディーをしてみましょう。以下2つのうち記事のうちどちらが「フェイク」(=誤解を招く、史実と異なる可能性が高い)の可能性が高いか記事を読んだ上で判断してみてください。またその理由を考えてみてください。

記事1. 5分でわかる湾岸戦争!概要、原因、イラク戦争との違いをわかりやすく解説!

記事2. 「玄米2合はやべえ」 つけもの、汁物、手前みそ、塩、玄米2合――社会学博士が作った「江戸時代のごはん」がとんでもない破壊力

例えば、友達の意見が、「これは記事2が怪しくね?ぱっと見るとなんか情報源が2ch的じゃない…」だったとして、それに対してあなたはなんと答えますか?この意見に賛成ですか?

記事1の分析

大筋は合っていますが、所々おかしおな部分がある。
イランイラク戦争の原因は正しいです。が、ホメイニ師が亡命したというのは嘘ですね。もともとイランは親米国だったのですが、ホメイニ師のイラン革命で仲が悪くなります。革命の輸出を防ぐ目的で、イラクが戦争を吹っ掛けます。その後の経緯は記載の通り。
また8年にわたる戦争で、イラクの財政はボロボロになってしまいます。折しも原油価格下落により、イラクの主要産業であった石油産業も事態を打開できません。そのため、かねてより領土問題を抱えていたクウェートに侵攻(名目上はクウェートで革命が起き、その革命政権の要求により軍事駐留)しました。とはいえ、ここまでアメリカの陰謀と考えるのは話が飛躍しすぎと考えられる)もし陰謀説が本当なら、湾岸戦争後にフセイン政権をそのままにしていた辻褄が合わない。

記事2の分析

これは事実だと思います。根拠は以下の3点です。

①大食いの人の普段の食事と同じ(相場観)
夕食で玄米2合食べていますが、腹八分目です。もちろん私が大食いということもありますが、おかずがこのくらいですと、2合でも少なく感じるくらいです。逆に肉や魚、油の多いおかずがあると、1合でも満腹になります。

②宮沢賢治の雨ニモマケズ(文献)
昭和初期の『雨ニモマケズ』には「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」という記述があります。当時の質素な暮らしはこれくらいであったと推察されます

③1石のコメの量(フェルミ推定)
「加賀100万石」などで使われる「1石」というのは、1人が1年間で食べるコメの量=支えられる人口のことです。1石は約140kg、1日あたり3合になります。肉体労働者の方が食べる量は多いと思いますので、上記の1日4合というのもありうる数字だと思います。

記事1,2共に分析は、「歴史勉強会(フェイスブックグループ)」による

『情報判断力』を高める2つのポイント

21世紀に必要な情報判断力を高め、フェイクニュースに騙されないためには2つのことが大切です。1つ目は、「情報源の質の確認」をすること、2つ目は、「論より証拠」で論拠となっている証拠の妥当性を確認することです。例えば、記事2はサイトの様子からも思わず、これはやべぇと感じ安い部分があるのでそうなんだと鵜呑みにする可能性は低いかもしれませんが(情報源の質の判断)、逆に昔の人が4合食べていても誰もこまらないし面白おかしく買いているだけなので、騙そうとしている可能性は低いということがあります。検証には、「常識(肌感)」「過去の文献(宮沢賢治)」を(論より証拠)引いています。

だから、歴史は面白い

記事1、2のように素朴な疑問、WHY?(なぜ??)という疑問をもてるようになると歴史はとても面白くなってきますし、昔の人は本当に1食2合も食べたのか??という問いを設定し、それに対して解答する過程で情報判断力に必要なスキルが身につくことをご理解いただけたのではないかと思います。歴史を学ぶことで、情報判断力を磨く事ができると言えます。

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