ガイダンスするときの作法

長時間話さないといけない場面があるとします。営業のプレゼンや朝礼での全体発表会、私はこのどちらも当てはまらないのだけれどもそういった場面は多々ある仕事をしています。今回は基本に立ち返って心づもりや準備の方法などを書いていきます。

1.(準備)伝えたいことを明確にする

発表する相手が誰かを設定する。そして何を伝えたいのか箇条書きでもいいので用意しておく。スピーチは話している途中に「あ、この話もできる」「これも挿せるな」と頭にどんどんアイデアが浮かんでくる。上手なスピーカーはこのアイデアを上手に取り入れて、相手の属性にあった適切なトピックから聞き手の臨場感、現実感を高めることができるが、慣れていない人には話の筋道を分かりづらくさせる原因になるのでなるべく避ける。そのために箇条書きでもいいので伝えたいことを決めておく。

2.(当日)自己紹介をきっちりやる

意外とやらない人が多い。スピーカーが誰なのかは聞き手は関心のないことなのかもしれないが、人によっては話しての属性によって話の内容のトピックの信憑性に影響する人もいるので、最初に示しておくとよい。私は「〇〇所属の〇〇です」と伝えるようにしている。とはいえ、パワーポイントのスライド1枚フルフルに学歴、職歴を載せるほど大量に話すのもどうかと思う。「あなたのためになる話をよく知っている人だよー。味方だよー。」というのが分かる程度でいいのではと考える。

3.(当日)はじめに主題を明確にする

準備段階で用意した話のテーマなどをまずは伝える。今回集まってわざわざ時間をとって話をする(聞く)理由はなんなのだということをクリアしておく。

4.到達度を明示する

「今日は私の話を聞いて、家に帰って『あーあの人こんな話していたなー』とか参考資料を読み返したときに『あ、この点についてはこんなこと言ってたなー』と思い出してくれたらオーケーです。そんな集中度、つもりで話を聞いてくださいね」。話をダラダラと聞いて終わり、といったことにならないよう「この後にやってほしいアクションを示す」ことで振り返りを意識してもらうようにする。刷り込みではないが、「こうしてほしい」「こうする」という無意識があると人は意外とそのように動いてくれるのだ。到達度を明示する点はいいことづくめで、学習や読書の効率的なやり方にも「この学習内容や書籍の内容をどのように自分のリアルな生活に役立てるか」ということを予め設定しておくと振り返りのチャンスを生むことができる。振り返りをしてもらえると、短期記憶から長期記憶への内容が移行し、覚え続けていてもらいやすくなる。本当は会の終わりに「ミニクイズ」をするのが理想なのだが、大勢の人前で話すときにいちいちクイズ形式の質疑応答をする時間も余裕もないだろうから、できる人はやったらいいんじゃないかと思う。


やれAIだIoTだと言われる世の中で、未だに「会場に行って」「人前で喋る」という仕事が成立しているのもおかしな話だ。将来的にはPepperのようなヒト型ロボットやタブレットから映像を映し出す形での講演というのが常になるのだろうが、しばらくはそれが来そうにもない。先進的な取り組みをする企業でもなければ、雇った人材を活用する意味でも「現地に行って、現地で話す」ことがまだまだ主流であり続けるだろう。それだったら、少しでも効果的に話ができるように、と上述のような取り組みを日々やっている。

参考にどうぞ。

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