#26 日本のこれまでのコロナ対策とこれから求められる対策について

ドイツの著名なウイルス学者が、日本の新型コロナ対策に注目していて、日本の対応に学ぶ必要がある、との考えを示しているそうです。

このウイルス学者さん、クリスティアン・ドロステン氏という方ですが、ドイツ政府のコロナ対策にも大きな影響力があり、2003年のSARSの共同発見者としても知られるウイルス学の第一人者とのこと。

日本の対策には色々な声があるため、この方の見方が正しい見方なのかは良く分かりませんが(今後ある程度明らかになっていくと思います)、日本は厳格なロックダウンなしに、死者を相当抑え込んでいる印象があります。

氏曰く、「ひとたびクラスターが見つかれば、検査よりも先に関係者全員を隔離することが戦略の「核心」になっている」とのこと。

確かに、ひたすらPCR検査を増やしたとしても、従来の方針(感染が判明すると軽症でも入院させる)で対処した場合には、軽症な感染者ばかりで病院が埋め尽くされる、すなわち医療崩壊が起きてしまう恐れがあると思います。

実際に、イタリアなどではこのような事態が起きて、相当死者数が増えてしまったと言われています。

それよりは、重症者を重点的に治療したり、クラスターを集中的に抑え込むほうが医療政策的には効率的と考えられます。

当然、日本のやり方や周知方法等には批判もありますし、間違いもあると思いますが、いまのところ日本のやり方はかなり成功していると思います。

さらに、日本は免疫研究が世界的にもトップクラスであり、研究から得られた知見等を今後、コロナ治療や医薬品開発、ワクチン開発等に活かしていくことが非常に期待されます。

今後の日本のコロナ対策

先日も記事にした、厚労省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第2版)」ですが(記事はこちら)、日経新聞でも紹介されていましたので、共有します。

記事では、これまでの反省点等を述べた上で、医療従事者向けのマスクや防護服、消毒液、人工呼吸器の不足など、今後の課題について論じています。

また、日本総合研究所と日本医師会総合政策研究機構は、これら医療物資の受給状況を調査し、4月に「産業力で医療崩壊を防止する緊急提言」をまとめたとのこと。

上記提言のPDF版

ここで特に気になるのは、医療物資の多くを海外に依存しているということ。

また、医療物資もそうですが、ワクチン開発においても国産化が非常に重要です。

なぜなら、海外で良いワクチンが開発されたとしても、世界中の数十億人に打つことを考えると膨大な量のワクチンが必要である一方、生産初期には自国民を優先して接種することため、日本に回ってくる時期が相当遅れる恐れがあるからです。

したがって、世界中で色々なワクチンが開発されていますが、海外産が成功したとしても、当面は国産化もしっかりやる必要があります。


という訳で、医療物資しかり、ワクチン開発しかり、しっかりと国産化の動きをサポートして、迅速に開発を進めてもらいたいものです。

ちなみに、NPO法人のジャパンハートも200万枚以上のマスクを全国の医療機関に供給しましたが、彼らによると、マスクが最も逼迫する恐れがあったのは4月中とのことで、まさに「必要なものを、必要なときに、必要な場所に」ということを実現した、素晴らしい取り組みだと思いました。

今後も、自分にできることは何か?ということを考えつつ、こういった素晴らしい取り組みをしている団体を支援していきたいと思います。

ではまた明日!

<了>



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