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ショパン:ノクターン Op.9-2

すとちゃん、けいちゃん、こんにちは、こんばんは。
嵐のような雨がざあざあ降ったり、力強い風が吹き抜けたりして、
すっかり世界が洗い流されてゆくような日が続きましたね。
わたしは雨音が子守歌がわりになって、よく眠れる日がたくさん続きました。
ふたりはいかがお過ごしでしょうか??


ふたりの日記を読んでいていつも感じるのは、日々自分が感じている事、おもい、に対しての丁寧で繊細な向き合う姿勢のうつくしさ。

あなたたち二人の愛の眼差しに観測される世界は、きっとたいそう幸せなのだろうなと感じます。


今日は、なんだかロマンチックで素敵な、ゆったりとした旋律が日常の背景にずっと流れていて、そこに合わせて生活をする、そんな一日でした。
今日の日記の題名、ショパンのノクターンのように。


実は、今日ぼーっとするために訪れたカフェで、
私の斜め前の席に座ってパソコン仕事をしていたお客さんが、
おもむろに立ち上がって店内のピアノに向かってひきはじめたのがこのノクターンです。


「ふたご座新月」という一日を象徴するような印象的な出来事でした。
だから今日はこのことを書きますね。


「新月の日、ノクターン」


am10:00 目が覚めました。

今日は燃えるゴミの日だったかしら。
燃えるゴミなら多少ゴミ出しの時間に遅れても大丈夫。
ゴミ収集車はゆっくりやってくる。

そんなことをぼんやりと思いながら、少し目を閉じてからだや心の感覚を感じます。

起き上がる前に一度静かな時間を感じることがわたしは大好き。
そのまま二度寝することもあるけれど、今日は起きていられました。


満足するまでしずかさを感じたら、お布団から出てゴミ出しに。
連日の大雨が上がって、今日は薄曇りながらも風が気持ちいいお天気です。

ゴミ出し帰りに、配達のお兄さんとばったり。
先日メルカリで一目ぼれしたTシャツが届いたのかな??と荷物の封をあけると、まさにそのTシャツが。


一日の始まりにタイミングの良さを感じられて、なんだか嬉しい気持ちです。
顔を洗って、一目ぼれしたTシャツを早速着てみます。
かわいい!
もう今日はこれで大団円だ。
嬉しいので鏡の前でいろんな角度から見てみたり、踊ったり、
そのまま鼻歌を歌いながら朝ご飯を作ったり。


今日のご飯はアボガドトースト。
ご飯を食べて、しばらくぼーっとして。
ぼーっとするのに飽きたらお仕事をします。
今日納品のイラストのラフデータを、パソコンと資料を見ながら仕上げつつ、「今日届いたTシャツを着てお出かけをしたいなぁ」なんて気持ちが湧いてくるのを感じます。

さいわいなことに、ラフ作業はスムーズに進み、
午後お出かけする時間が作られました。


お気に入りのお洋服を着てお出かけできる喜びを感じながら、
お化粧をして、スケッチブックにペン、お財布に携帯電話、それから本を鞄に詰め込んで、お気に入りのカフェへ。

先日のお部屋の模様替えで普段使わない筋肉を使ったのか、太ももに若干の筋肉痛。いつもよりことさらにゆっくりと、いつもの道を歩きます。


カフェにて


たっぷり時間をかけて、カフェに到着しました。
入口のドアに手をかけて開けると、店内でおしゃべりしているお客さんや、赤ちゃんの声がふわ~っとこちらに向かって広がってきます。
お店の中がにぎわっていて、森の中でいろんな種類の鳥の鳴き声が飛び交っている情景が思い出されます。

ヒヨドリ、ハト、カラス、トンビ、カワセミ、ウグイス、ハクセキレイ。

人の話す声がいつもそんな風に感じるわけではないのですが、何故か今日はそんな風に感じるムードの日でした。


窓際の横長の机のはじっこ。
ひつだけ空いているその席に腰掛けました。
私の目の前の席には二人の女の子が座っています。
1人は黒髪のボブ、もうひとりは茶色いふわふわのパーマがかかったような髪の毛。
ふたりともパソコンで真剣にお仕事をしているみたいです。


視界のはじにその二人の影がかかるのを感じながら、注文したキウイのケーキと冷たいカフェラテを頂きます。
おいしいなぁ、わたし、お仕事お疲れ様。なんて心の中で言いながら、
ちびちび味わいつつ、窓の外で揺れている木を眺めます。


ひとしきりぼーっとして、ケーキを食べ終わったら、絵が描きたくなったので絵を描く事にしました。
スケッチブックとペンを取り出して、絵を描きます。

鳥がいい、あとは羽根、そして巻き毛の女の子。透き通る瞳を描きたい。
ビジョンが浮かぶままに画用紙に線をひきます。

気が付くと結構な時間がたっていたようで、カフェラテの氷がだいぶとけてしまっていました。

あ、少し休憩。

そう思ってペンを置き、一息ついたとき、
目の前の席に座っていた二人組の女の子が話し始めました。


なんともなしにその会話を聞いていると、一人分の声が女の子の話す声のトーンより、何段も低いことに気が付きました。
わたしは女の子二人組だと思い込んでいたけれど、どうやら女の子と男の子の二人組だったようです。


そうだったのか、彼女、じゃなくて彼だったのね。
と思いつつ、再び絵の続きを描く事にしました。
そうしてまたしばらく絵に集中していると、あきらかにBGMではない生のピアノの音がどこからか聞こえ始めました。
わたしの座る席の対角線上、お店の奥に設置されているピアノからその音は流れてきます。

「ノクターン Op.9-2」

よくよく見るとそれを弾いているのは先ほど「彼女」だと思った「彼」です。
とても美しい、繊細な音色。
音楽のことはよくわからないけれど、ハートに響く心地よい音色でした。

なんて美しい瞬間だろう。

ピアノを弾くその人は後ろから見ても「彼」「彼女」どちらにも見えます。

しばらくその後ろ姿に見入ったのち、また絵を描く事にしました。
この美しい波長を感じる中で絵を描きたい。
そう思ったからです。


そこからのひと時は長いようで、でも一瞬で。
先ほどまでパソコンのキーボードをたたく音がBGMだったのが、一瞬でピアノの旋律に変わって。

ペンの画用紙をこする音と、
息をひそめてピアノに聞き入る人たちの気配と、
ノクターンの音が重なって、

あのカフェの中一帯がひとつの生き物になって呼吸をしているような、
とってもクリエイティブなひとときでした。


日常がクリエイションになる。


その日であったすべての人と、場所と。
偶然という奇跡を使って。


こんな風に生きていたい。
生活も仕事もクリエイションも、すべての境目があいまいになって。
ずっとともに創造している感覚。
わたしはそんな生き方が好き。

カフェで出逢った、あの性別のあいまいな彼が弾いてくれたノクターンは、
そんな想いがわたしにあることを教えてくれました。


新月のお祈り


あの後お家に帰ってきて、いまこれを書く直前に、
その時の事を思い出しながらお祈りをしていました。

とても美しい一日に、またひとつわたしのおもいと出会えて幸せないまです。

そのすてきな1日の終わりに、感じた喜びを分かち合えるこの場があることにも。


けいちゃん、すとぴ、今日も存在してくれていてありがとう。
すてきな新月をお過ごしください。
おやすみなさい。


すとちゃん

けいちゃん












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