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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#運用

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

中小企業の人事制度ーシンプル化で成功を掴む戦略と具体的事例

 中小企業における人事制度は、企業の成長と従業員のモチベーションに直結する重要な要素です。しかし、大企業の複雑な制度をそのまま導入することは、かえって逆効果になる可能性があります。限られたリソースの中で最大限の効果を発揮するためには、中小企業ならではの特性を活かしたシンプルな人事制度の構築が不可欠です。  私も多くの中小企業の人事制度構築の支援を行ってきましたが、多くの企業の人事制度は複雑で、運用が難しくなっている状況を見てきました。 シンプルな人事制度がもたらすメリット

組織と社員の双方に利益をもたらす人事制度の「運用」戦略

 人事制度の適切な「運用」が、組織における社員のモチベーションやエンゲージメントに及ぼす影響は非常に大きいです。仮に優れた人事制度であっても、その内容が社員に十分理解されず、また適切に運用されなければ、制度の持つポテンシャルを十分に活かすことは難しいでしょう。したがって、人事制度の策定だけでなく、その運用方法についても深く考え、かつ、組織全体で取り組む必要があります。私もこれまで、制度自体は素晴らしいのですが、運用がうまくいっていない人事制度をたくさん見てきました。 制度の

「行動評価」の多面的影響ー目標達成から文化醸成まで

 私も長い人事経験の中で、多くの企業の人事制度に触れてきましたが、行動評価の運用がうまくいっている企業は、人事制度全体の運用においても成功していると感じています。行動評価は、個々の従業員が組織内でどのように振る舞うべきか、どのような価値観や行動様式が求められるかを明確にするものです。このような評価システムは、組織全体の目標達成、文化醸成、そして個々の従業員の成長と動機付けに直接的な影響を及ぼすからなのでしょう。 行動評価は人事制度の根幹目標達成への明確な道筋  行動評価は

会社の成長と人事制度:三位一体の取り組みがカギ

 人事制度の適正な運用には、会社、評価者、被評価者が三位一体になることが必要です。そのために何が大切なのかを考察してみます。 人事制度の適正な運用は、会社の成長や労働環境の改善に大きな影響を与えます。このため、会社、評価者、被評価者が三位一体となり、共同で取り組むことが必要です。そしてそのバランスも重要です。  まず、会社側は公平な評価基準を設定する必要があります。評価基準は明確で透明性があり、全ての従業員に公平に適用されるべきです。また、評価基準は定期的に見直され、現実

「被評価者研修」は自社の人事制度の「成熟度」を考えて実施検討することが望ましい

被評価者研修の在り方と実態  人事制度の適正な運用において、評価者のみならず、被評価者の理解を深めるということが非常に重要です。評価者研修とともに、被評価者研修をしっかりすることが理想です。以下にて記載しました。  一方、実態として、「評価者研修は真面目にやっているけれど、被評価者研修には追いついていない」という企業も多かろうと思います。以下記事でも紹介したとおり、「2016年 評価制度の運用に関する調査」によると、被評価者(評価される側の従業員)に対しての研修は22.6