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人事・経営支援関連

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私の経営・人事支援関連の記事です。
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#成長

「人事課題を解決したい」企業の方に対し、私がお尋ねする観点

 私は、地方企業様の人事課題の解決支援の活動をしています。その際、経営者の方、担当の方とも多くのコミュニケーションをさせていただいています。その際、話題として、人事関係(制度等)の話はもちろんですが、基本的な経営の状況の話もさせていただいています。  最近でこそ、「人事は経営の根幹の一つ」という経営者の方も多くなってきました。総論としては理解されているものの、なかなか深く突っ込んで議論をするのは苦労します。とはいえ、最初から「サーベイシート」のような、こと細かい資料を使って

管理職成長の旅ー4つの段階でマネジメント力を高める方法ー日経ビジネス記事より

 人的資本経営では、現状を開示するだけでなく、目指す姿に向けて改善していくことが大切になります。社員のモチベーションを高め、組織の成功を導くためには、管理職のマネジメント力の強化が不可欠でしょう。日経ビジネスの2024/3/27の記事、川内正直氏による「管理職のマネジメント力を強化する4つの成長ステップ」は、この重要な課題に実践的なアプローチを提示しており、大変興味深い内容です。 管理職のマネジメント力を強化する4つの成長ステップ 管理職のマネジメント力を強化することは、企

組織成功の鍵ー主力社員の定着と成長の戦略

 組織において新陳代謝は重要であり、特に利益率の高い筋肉質な組織構築においては、主力社員の定着と成長に焦点を当てることが重要です。主力社員は組織の骨格を形成し、そのエンゲージメントと生産性が直接的に組織の成果に影響を及ぼします。以下では、主力社員の定着と成長を促進するための具体的な戦略を詳細に検討します。 主力社員の役割と責任の明確化  主力社員に対しては、彼らの役割と責任を明確にし、それに見合う権限と裁量を与えることが重要です。彼らが自分たちの仕事において意思決定を行い

採用の先を見据えるー組織成長のための人材管理戦略

 経営者や人事担当者が陥りがちな一つの大きな落とし穴として、採用プロセスを完了した時点で満足し、その後の人材の成長と発展に十分な注意を払わないことです。採用は、個々のキャリアと組織の進化において、単なる始まりに過ぎません。目標人数を達成し、才能ある人材を確保した後も、その人材が組織内でその能力を最大限に発揮し、目に見える成果を生み出せるようにするための継続的なサポートと投資が不可欠です。 採用後の人材管理の重要性 採用プロセスの成功は、新しい従業員が組織に加わることによる即

パープル企業を超えて: 転職における成長と挑戦の追求

 転職を考える際に、例えば、「年間休日125日以上」を提供する企業であると、働く人々にとって魅力的な選択肢となります。このような企業は、従業員のワークライフバランスを重視し、プライベートな時間を大切にできる環境を提供することで知られています。しかし、こうした環境が必ずしもすべての職業人にとって最適な選択肢であるわけではありません。特に「パープル企業」と称される、表面的には魅力的に見えるが成長の機会が限られている企業が存在することは、転職市場において重要な考慮事項となります。

「仕事」ではなく「役割」を与えることの重要性

人を成長させるためには、「仕事」ではなく「役割」を与えるべきであるという考え方は、人財育成においても重要な概念です。この視点は、従業員が単に与えられたタスクをこなすのではなく、自らの役割を通じて組織内で意味ある貢献をすることです。ここでは、その考え方を更に深堀りし、人事の立場から見た具体的な実践方法とその意義を探求します。 1. 役割の重要性 自律性の促進  役割を与えることは、従業員に対してより大きな自律性を促します。自律性は、モチベーションの三大要素の一つであり、従

企業で働く意義ー自己実現への道

 企業は、その社会的存在意義を通じて、日々の創意工夫と自己肯定感の向上に努めています。単に業務を遂行するだけでなく、働く人々にとって人生を豊かにする貴重な経験を提供しています。特に、企業組織の中で得られる経験は、プロフェッショナルなスキルの向上だけではなく、人間としての成長にも大きく寄与します。 多様な価値観との出会い  企業組織は、さまざまな文化、性別、年齢、職歴を持つ人々が集まる場所です。このような多様性は、新しいアイデアや解決策を生み出すための素晴らしい土壌を提供し

成長に不可欠な要素ー負荷と挑戦の価値

 「負荷のない環境で成長は難しい」ということについて考えてみたいと思います。人事として様々な業務を経験してきた中で、この真理は個人のキャリア開発だけでなく、組織の成長や変革おいても非常に関連が深いと思います。 個人のキャリア開発において  従業員が常に快適な範囲内で仕事をしていると、成長は鈍化します。新しいプロジェクト、異なる部署での勤務、あるいは新しい技術の習得など、従業員にとって未知の領域への挑戦を促すことは、その人のスキルセットを広げ、キャリアの可能性を拡大します。

人事評価の多面的な目的ー能力開発から組織戦略まで

 人事評価の目的を正確に理解を深めることは、組織の成功にとって非常に重要です。一般に、人事評価は単に「処遇を決める」ためのものと考えられがちですが、その実態はより複雑で多面的です。ここでは、人事評価が果たすべき多様な目的について掘り下げ、評価結果の有効活用についても考察します。 1. 能力開発の促進  人事評価は、社員一人ひとりの能力開発を促進する上で中心的な役割を果たします。評価プロセスを通じて、社員の現在のスキルセット、成果、そして潜在能力を明確に把握することが可能に

失敗から学ぶー職場でのミスと成長のチャンス

以下のような、「ミス」の場面を想定してみましょう。 後輩:「大変なミスをしてしまいました。私、もうダメかもしれません。」 先輩:「落ち着いて。まずは何が起こったのか、詳しく教えてくれる?」 後輩:「〇〇の処理で、誤ったデータをクライアントに送ってしまいました。」 先輩:「それは大変だ。データの内容は?影響はどれくらい?」 後輩:「売上情報を含む重要なデータです。クライアントからクレームが来ています。」 先輩:「クライアントには状況を説明したの?」 後輩:「はい、

学習と成長の同期ー組織全体の繁栄を目指して

 学びと成長はビジネスの世界において、個々の従業員だけでなく組織全体の繁栄においても不可欠な要素です。特に人事部門は、組織の戦略的目標を実現するために、従業員の能力開発と成長を促進する役割を担っています。この過程で目的と手段の明確化とその両立は、個人のキャリア発展だけでなく、組織全体の成長にも直結しています。 目的を明確にする  人事の観点から見ると、学びの目的は個人のスキルアップやキャリア発展だけに留まらず、組織の長期的なビジョンや目標達成に密接に関連しています。従業員

フィードバックのアートとサイエンスー組織のエンゲージメントとイノベーションを高めるために

 フィードバックを適切に実施することは、組織内でのコミュニケーションとパフォーマンスの向上において中心的な役割を果たします。私が長年にわたり、人事領域で経験してきた中で、フィードバックの本質とその効果的な提供方法は、個人の成長、チームの協力、そして組織の成功に直結する重要な要素であることを繰り返し見てきました。こフィードバックの重要性とその提供方法について、人事の立場から詳細に考察してみます。 フィードバックの重要性  フィードバックは、相手の自己認識を高め、行動の改善に

組織力の源泉-他人の力を借りること

 「他人の力を借りる」ということは、個人の成長と組織の発展の両方において、非常に重要な役割を果たします。私も長期間人事に携わり、毎日のようにこの場面を見てきましたし、自分自身もそうなっています。これは組織内の様々な場面で顕著に現れます。個々の能力を最大化し、チームとしてのシナジーを生み出すためには、他人の力の活用が不可欠です。以下に、人事の立場から見て、他人の力を借りる重要性とその具体的な活用方法を述べます。 1. タレントマネジメントにおける他人の力の活用  組織内で個

新たな領域への挑戦ー未経験分野と人事戦略の融合

 「未経験の分野に挑戦する」ことは、怖いところもありますが、個人のキャリア形成や組織の発展において、非常に重要な意味があります。経験が浅いからといって、新しい機会を見逃すのは非常にもったいないことであり、人事の観点からも強く推奨されます。未知の領域に飛び込むことで、個人は自身の成長を加速させ、新たなスキルや知識を習得することができます。また、失敗を恐れずに自分の限界に挑戦することは、未経験の分野で成功するための重要なマインドセットでもあります。慣れない領域に身を置くことで、新