マガジンのカバー画像

人事・経営支援関連

189
私の経営・人事支援関連の記事です。
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

ビジネスとスポーツの共鳴ー人事の視点から見る目標達成の戦略

 ビジネスと運動が密接に関係しているという観点から、人事分野の経験を持つ私が、目標設定、チームワーク、リーダーシップ、パフォーマンス管理、健康管理、適応力と学習など、両分野の共通点は何でしょうか。人事の視点から、これらの要素が個人とチームの潜在能力を引き出し、組織の成長にどのように貢献するかを考えてみます。  まず、ビジネスと運動は共に目標設定と達成という点で共通しています。ビジネスでは、売上目標やプロジェクトの成功が目標となり、運動では試合での勝利や個人のパフォーマンス向

日々の習慣を見直して生産性を上げる7つのルールー山葉隆久さん

『誰とでもどこででも働ける 最強の仕事術(山葉隆久、自由国民社、2023年)』の第3章に「日々の習慣を見直して 生産性を上げる7つのルール」というものがあります。非常に役に立つ考え方ですので、私も人事の立場とし て考えてみたいと思います。  これらは、個人の生産性向上とキャリア成長を促進するために非常に有効な手法です。人事の立場からこれらの原則を企業や組織に適用することで、従業員の能力を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能になると思います。 ルー

研修プログラムの最適化ー組織と個人の成長を促進するためのアプローチ

 社内研修は、企業の成長と競争力の強化に不可欠な要素ですが、しばしば社員にとっての負担や「やらされ仕事」と感じられることがあります。これを変えるためには、研修プログラムを戦略的に設計・実施することが求められます。社内研修をより効果的にするための詳細な戦略を展開し、それらを実行する上での考慮事項を掘り下げてみます。 研修の目的と内容の明確化 目的の共有とビジョンの明確化  研修の究極の目標は、社員のスキルセットの向上と、それによる企業の業績向上です。このビジョンを明確にし、

【書籍】お金の不安解消~55歳からの賢い生き方ー臼井由妃さん『55歳から「お金の不安」がなくなる生活術』

 臼井由妃さんの書籍『55歳から「お金の不安」がなくなる生活術』(アルソス、2024年)を読みました。このテーマは、自分自身、そして人事としての立場でも重要であり、大変興味があるところです。  この本は、特に55歳以上の人々に向けて、お金の不安を解消し、人生後半を楽しみながら生きるためのガイドです。一方、30代や40代の読者にも、人生の後半に向けた準備の心構えを示しています。  日本人が世界一不安を感じやすいとされ、特にお金に関する不安が高いことが背景にあります。BIGLO

人事戦略における問題解決ー「悩む」から「考える」へのシフト

 問題に直面した際に「悩む」から「考える」へと移行することは、人事の立場から見ても非常に重要です。人事担当者は組織や従業員の様々な課題に対応する必要があり、効果的な問題解決スキルは必須です。仮説を立てるプロセスは、具体的な問題解決においても、人事戦略の策定においても、中核的な役割を果たします。私も長年、基本的にはこの手法でいろいろな問題解決をしてきました。ここで整理をしたいと思います。 問題解決のプロセス問題を明確にする  人事担当者は、組織内の課題が浮き彫りになった際、

インプットからアウトプットへー企業文化としての「継続的学習」

 新しい情報や知識を吸収するインプットには熱心ですが、その知識を実際に活用するアウトプットに関しては後回しにしがちです。これは、インプットが比較的楽しい作業であり、自分の興味や好奇心を満たすものであるのに対し、アウトプットはその知識を自分の状況に適用し、具体的な形で表現する必要があるため、より複雑で面倒な作業となるからです。また、アウトプットは自己表現の一形態であり、批判や評価の対象となる可能性があるため、一定程度覚悟が必要になるからです。  人事の立場から見ても、このイン

持続可能な成長への道ー個人の能力開発と組織変革のシナジー

 高度成長期の成功モデルが、現代の多様で変動の激しい社会では機能しないため、教育、企業文化や人事制度の根本的な見直しが求められています。以下で、人事の立場として、教育、人事管理、組織開発の三つの領域に分けて具体的に述べていきます。 1. 教育の視点  教育システムは、論理的思考や創造性を育むことで、未来の労働力が変化に柔軟に対応できるよう基礎を築く役割があります。従来の詰め込み教育や一斉授業から脱却し、クリティカルシンキング、問題解決能力、コミュニケーション能力を重視した

組織力の源泉ー自己主導型姿勢と組織のパフォーマンス向上

 他人の評価に左右されず、自分自身の達成感を重視する姿勢は、職場においても非常に重要です。私の長年の人事経験から見ると、このような自己主導型の姿勢は、個人のキャリア発展だけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与すると考えています。 自己実現とキャリア発展  個人が自分の達成に集中することは、自己実現の達成につながります。自分自身で設定した目標を達成することは、自信を高め、さらに大きな挑戦への意欲を促します。これは、中途採用や新卒一括採用の際に見られる、個々の動機付け

求人票のアートー魅力的なキャリアへの誘いをどう組み立てるか

 求人票は採用プロセスにおける最初の触れ込みであり、企業が求職者に提供する「商品説明書」に等しいです。そのため、求人票を通じて提供される情報の質とその提示方法は、応募者の興味を引き、最終的な応募動機に大きな影響を与えます。効果的な求人票を作成するためのポイントは何でしょうか。 求める人物像の明確化 多様性と包括性の考慮  採用プロセスにおいて多様性と包括性は重要な要素です。求める人物像を記述する際には、多様なバックグラウンドを持つ候補者が自身を投影できるよう配慮することが

自己効力感の高め方ーポジティブな思考で困難を乗り越える

 「できる」と信じ、その信念に基づいて行動することは、個人だけでなく、組織全体にとっても重要な意味を持っています。人事としてこれまでの経験を踏まえ、組織内でこのような前向きな姿勢を育て、維持することは、組織の成長と個人の成長の両方において極めて重要と感じています。深掘りをして考えてみたいと思います。 「できない」と感じる未来とその回避  「できない」と感じる未来は、挑戦することを恐れ、新しいことに取り組む機会を逃し、最終的には成長の停滞を意味します。このような未来を回避す

「雑談」のマネジメントー職場でのコミュニケーションと組織文化の強化

 職場における「雑談」の重要性を理解し、それを組織文化として育んでいくことは、人事の立場から見ても非常に重要な取り組みといえます。雑談は表面的には軽い会話と見えるかもしれませんが、実際には社員のエンゲージメント、チームの結束力、創造性の促進、ストレスの軽減など、多くのポジティブな効果をもたらします。雑談が職場に与える影響(善し悪しあり)を考えてみたいと思います。 コミュニケーションの活性化と社内ネットワークの強化  雑談によるコミュニケーションの活性化は、社内ネットワーク

感情と本音のバランス-職場での健全なコミュニケーション文化の促進

 感情と本音を区別するして考えることは、組織内コミュニケーションにおいて極めて重要な問題です。人間は複雑な生き物であり、感情と本音が常に明確に分かれているとは限らないでしょう。特に組織の中では、ストレスの多い環境やプレッシャーが高まる状況で、感情が高ぶり、本音と混ざり合うことがあります。このような状況は、人事の領域でも特に注意深く扱う必要があるテーマと感じています。 組織内での感情と本音の管理感情と本音の区別  組織内では、従業員が感情的になりやすい状況がしばしば発生しま

「素直さ」の力ー組織と個人の成長を促進

 「素直さ」は、個人のキャリア成長だけでなく、組織の健全な発展にも欠かせない要素であり、人事の立場から見ると、素直な従業員はやはり組織内での協力的な姿勢や学習意欲が高く、このような特質は組織全体の生産性とイノベーションを促進しているように感じます。 個人の成長と素直さの関連性  素直さは、個人が新しいスキルや情報を学び取る速度を加速させます。新しい情報に対してオープンであるため、変化する業務環境や技術の進歩に迅速に対応することが可能です。また、素直な人はフィードバックを価

評価者研修と被評価者研修-優先順位のバランスを考察

 評価者研修と被評価者研修の優先順位に関しては、意外に話題になりやすいです。私もいろいろなところで話を聞いて、それぞれの状況に応じて構築・アドバイスしています。 被評価者研修の重要性  被評価者研修の重要性については、被評価者が評価制度を理解し、自己評価や目標設定のスキルを身につけることの重要性があります。この研修は、被評価者が自己のキャリアをより効果的に管理し、組織内での役割を積極的に担うことを促すでしょう。また、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与するものと思います。