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Perplexityってどうなの?

Perplexityは各種のLLMモデルをホストし、チャットボットサービスとして提供されているサービスです。特徴としては自前のGPT-3.5ベースのモデルを保有している他、他者のモデルを使えるようにしているのが大きな特徴です。

テーマとして、検索を置き換えることを目標をしており、通常のクエリの他、Pro Searchと呼ばれるインタラクティブ検索機能も使用できるようになっています。

尚、この記事は2024年3月18日時点の情報となっており、今後変更が加わる部分もあると思われます。

価格

価格は月20ドルで、同種の有料サービスとほとんど同じ価格になっています。ただし、年額設定も可能となっており、こちらの場合、合計額が200ドルと2か月分割引になります。尚、年額設定の場合は7日間の試用期間があり、この間には無条件で解約し、払い戻しを受けることができるようになっています。(月額の場合は不可)

現在、多くのサービスでは月額のみとなっており、年額設定がある、比較的珍しいサービスとなっています。

尚、年額を支払った場合において、7日間の試用期間を過ぎた後に解約した場合は次回更新日までは引き続き使用できる欧米ではごく一般の課金モデルとなっています。

尚、製品等との提携も積極的なようで、例えば、rabbit R1nothing phoneの予約購入者向けにクーポンコードが提供されることもありました。

使用可能モデル

言語モデル

使用可能なモデルとして、デフォルト(高速なPerplexity独自のモデル)、実験的(機能的なPerplexity独自のモデル)、GPT-4 Turbo、Claude 3 Sonnet、Claude 3 Opus、Mistral Largeと多岐に渡っています。

このうち、GPT-4 TurboはCopilot Proでも採用されているモデルであり、Copilot Proと同じく、ChatGPTに先行して提供されているモデルとなります。Claude 3 SonnetやClaude 3 OpusはAnthoropicにより提供されているモデルで、こちらも能力の高さに定評があるモデルです。尚、Claude 3系の最高モデルであるClaude 3 Opusの使用制限が特に入っていないという点は特筆に値します。

ですので、現行の品質の高いモデルがほとんど含まれている、といっても過言ではないと思います。

画像生成モデル

画像生成モデルとしてはPlayground 2.5(Perplexity独自のモデル)、DALL-E 3、Stable Diffusion XLとこちらも複数のモデルを使用できるようになっています。

プラグイン

ChatGPTやCopilot Proに装備されているようなプラグインは装備されていませんが、内部的にはいくつかのサービスと連携を持っているようです。

モードとしては以下のような「フォーカス」として用意されており、各種に特化した検索を行えるようになっています。

フォーカス指定

現在のところはコードインタプリタ―などの機能はないようです。

カスタムインストラクション

ChatGPTではAIに予め一定の指示を与えることができる、カスタムインストラクション機能があります。この機能についてはPerplexityにおいては「コレクション」機能として実装されており、それぞれのコレクションで異なったカスタムインストラクションを持たせることができるようになっています。

コレクション機能

このコレクション機能を使用することにより、コレクション内で特別なふるまいを持たせることが可能になっています。

尚、このコレクションは共有できますが、GPTsのような形で設定のみを共有することはできないようです。

Pro Search

以前は、Copilotと呼ばれていたようで、ヘルプ情報などでその名前で言及されていますが、さすがに混同が問題になったのか、Pro Searchとなっています。このPro Searchでは入力された情報をさらに掘り下げ、検索するような仕組みになっています。BingにおけるGPT-4を使用したディープ検索というのがありますが、それに近い機能かと思います。特徴としては、インタラクティブに意図を訊いてくる点です。例えば、ボーイング機とエアバス機の比較をして欲しいとのクエリを入れた場合に、以下のような選択肢が提示されました。

比較したい項目の選択

ここで、今回は旅客機のみに関して調べたい場合は、それを選ぶと絞り込まれた検索がされるようになっています。(複数選択も可能です。)

これを元に、さらに掘り下げたクエリが作成され、結果を多角的に作成してくれます。

検索結果

Pro Searchは一日に使用できる回数に制限がありますが、一日600回と、非常に余裕がある設定となっています。

尚、ClaudeやGPT-4 Turboなどを使用した場合、Pro Searchを使用していない場合でもPro Searchを使用したとみなされカウントされるとのことです。デフォルトモデルを使用した場合はこのカウントを消費することはありません。また、このカウントは一度にリセットするのではなく、一日を通じて徐々に回復していく方式となっているようです。

ファイルや写真の使用

ChatGPTやCopilotと同じく、写真やファイルなどを読み込ませてそのファイルに関するクエリもできるようになっています。スプレッドシートなどの情報を読み込ませたり、写真の説明をしてもらったり、という使い方が可能です。

Copilotと比較した検索機能

検索を主なテーマにしたLLMとしてはCopilotが有名ですが、Copilotが伝統的な検索エンジンにAIを載せた構造となっており、AIのアシストはどちらかというと補助的な作りになっているのに対し、Perplexityの場合はそれを逆にした構造となっています。つまり、チャットインターフェースを基点としているのがCopilotとの大きな違いとなります。

尚、ChatGPTでもプラグインとしてBing検索が提供されていますが、ChatGPTがBing検索を行うのが比較的消極的な部分がありますが、Perplexityに関してはより積極的に検索を行う作りとなっているようです。(フォーカスを変えることで検索しないという設定も可能。)

無料で可能な範囲

ChatGPT、Copilot、Geminiと同じように、無料版が提供されています。無料版は以下のような制限があります。

  • 使用できるモデルに制限がある

  • Pro Searchが4時間ごとに5回(有料版は一日600回)

  • ファイルのアップロードが一日3個まで(有料版は少なくとも一日100個)

  • 有料版で提供される$5のAPIクレジットはなし

Perplexityは買いなのか?

多数のモデルを使用できるサービスとして、それぞれのモデルの本家版と比較した場合においても、制限も緩めであり、特にどれか一つを選ぶ、と考えた場合は有力な候補となりうると思います。また、サービスや製品との連携に熱心であり、ハードウェアなどとの連携のバックエンドAIとしての採用も進むものと思われます。

概ね他のシステムと比較した場合、それぞれより優れている点としては以下のような特長があります。

  • ChatGPT - 比較的大量のプラグイン、コードインタプリタ、GPTs(各種API連係機能も使用可能)

  • Copilot/Copilot Pro - 画像生成後の後処理、モバイル版におけるEdgeとの連携(デスクトップ版においてはChrome/Edge向けにPerplexityの拡張機能が用意されておりCopilot機能と同じ感覚で使用できます)、GPT Builder、Officeアプリとの連携、Windowsとの統合。

  • Gemini - Googleサイトとの連携、Androidとの統合(今後予定?)

全体として概ねバランスの取れたサービスでありそうです。新規モデルの対応も素早く行われているようで、API経由であればさらに多くのモデルが使用できるようになっています。

尚、AIやLLMの世界は速いスピードで進化しており、今後大きな変化が起きる可能性が高いので、この現状は近い将来違ったものになる可能性もあります。Perplexityはサービス自体以外にも、製品との連携などにおける使用にもフォーカスしていることもあり、ある意味独特のポジションを持つ可能性も高いと思われます。

前述したように、このサービスは月20ドルですが、以下の紹介リンクを使用することで初月が10ドルに割引されますので、もしよろしければ試してみてください。

紹介リンク