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資産形成だけではないNISAの話 「相続」の場合



新NISA始動前夜


2024年1月から始まる、少額投資非課税制度(NISA)の刷新案では、非課税枠が大幅拡大されるとともに、その非課税期間も無期限になります。
これは、生涯非課税で投資ができることにもなり、高齢期であっても投資信託や株式投資で運用を継続する人が増えることが見込まれます。
資産形成、資産運用はこれからこのNISAが中心になることは大いにあり得ます。

ところで資産形成や運用、そして相続は深い関係性がありますが、この新NISAではどうなのでしょうか?

私も生命保険取扱代理店業として仕事をするようになってから、相続に関しては必要な知識として現在勉強していますので、それをここでは一部共有させていただきたいと思います。

NISA資産を相続する場合


NISAで運用している親が亡くなられた場合、NISA口座がある金融機関にまず連絡をしましょう。
その上で、相続について手続きをすることとなります。

まず基本的な事として、NISA口座の資産を相続する場合、NISAのままでは相続はできません。
例えば、故人がA銀行の「NISA口座」を持っていた場合、同じA銀行の「課税口座」へと移管されます。
資産は、非課税から課税となります。
要は、被相続人(故人)が死亡した時点でNISAは終わり、ということとなります。

またNISA口座の資産を相続する金額は、故人のNISA口座での「死亡日の終値」となります。
この金額がそのまま課税口座へと移管されます。
つまり、相続した人がこの資産を売却して利益が発生した場合は、しっかり課税がされるということになります。

ここでいう「課税」とはキャピタルゲイン税です。
「キャピタルゲイン税」とは、有価証券などを売却して得た所得に対してかかる税です。
申告分離課税とする場合で20.315%(復興特別所得税含む所得税15.315%+住民税5%)がかかります。

ちなみに、相続したものが「NISA口座」ではなく、故人の「課税口座」だった場合は、故人が生前に「購入した価格」が相続となります。
この場合で、売却時に損失が発生した場合は、課税はされません。

相続税について


いずれにせよ相続した場合、キャピタルゲイン税とは別に、相続税は課税されますので、引き継ぐ者の知識として押さえておく必要があります。

課税上の評価額を出し、それを相続財産の総額から基礎控除で差し引き、課税対象額が残れば相続税が発生します。
基礎控除の計算は、3000万円+法定相続人の数×600万円で算出されます。

もし、NISAで上場株式や上場投資信託(ETF)を運用していた場合、
課税上の評価額を出すためには、
死亡日の終値、死亡月の終値平均、死亡前月の終値平均、死亡前々月の終値平均、
の中で最も低い価格を適用します。

もしご高齢のご両親がいらっしゃってNISAで運用されている場合は、ご参考ください。

参考
日本経済新聞10/28「相続の手続き・税を知る」
#新NISA #相続

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