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今高校野球に思うこと

 僕の息子はまだ小学生の野球少年だが、考えてみたら5年後には高校球児になっているかもしれない。
 そこまで続けてくれたらいいなという願望も兼ねて、ふとそんなことを思うようになった。
 僕は野球が好きで、野球に関する本を読んで楽しむことが日課となっている。
 しかし、高校野球に関する本は今までは対象から外していた。なぜかといえば、僕が関わるにはまだ先の話だと思っていたからだ。
 だが気づいてみればそれほど先の話ではない。子どもの成長はとにかく早い。
 僕の息子が仮に高校でも野球を続けたいとなった場合、どんな選択肢があるのか、そもそも高校で野球を続けることが人生において良い選択となるのだろうか。
 僕は野球少年の親として、そんなことを考えるようになった。これから徐々に情報収集と勉強を始めていこうと思う。
 だからといって僕が得た知識や考えを息子に押しつけるつもりはなく、最後は息子が決めることだと思っている。
 あくまで、僕自身の興味の範疇だ。
 
 僕も昔は野球少年で高校球児であった。高校時代は、高校野球=甲子園だと思っていた。
 甲子園に行きたいから野球を続けると言っても過言ではなかった。そして、甲子園に出場すれば何か人生において道が開けると思っていた。
 親にそう言われたわけではない。今思えば、浅はかな考えでとても恥ずかしくなる。
 実際に、道が開けた人はいるかもしれないが、僕はこの考え方はおすすめできないと考えている。
 そもそも、そう思ってしまう高校野球や高校の在り方に疑問を感じている。
 未だに高校で野球を続けるには、坊主にする必要がある高校が多いし、部活動としての拘束時間が長い学校も多いと聞く。
 覚悟や犠牲を負わないと野球を続けられない環境は僕はよろしくないと考えている。誰にだって自由に野球を続ける権利はあるはずだ。

 今僕は学童野球のお父さんコーチとして、小学生と野球をしているが、みんなとても楽しそうだ。
 野球を純粋に楽しんでいる姿は微笑ましく思う。子どもたちに願うことは、とにかく長く野球を続けて欲しい。
 そして次の世代にも野球の楽しさや素晴らしさを伝えていって欲しいと思っている。
 高校球児や高校の監督でそんな事を考えながら野球をやっている人は少ないのではないかと僕は想像している。
 目の前の野球に夢中で一生懸命で、そんなことを考えている余裕なんてないと思う。僕自身がそうだったからだ。
 野球に限らず一つのことに熱中して、自分を高めていくことは素晴らしいことだ。
 でも少しだけ余裕を持って、次世代のことを考えて欲しいと思っている。固定観念に囚われず、野球の進化を担って欲しいなと願っている。
 なぜなら、日本において高校野球は、その下のカテゴリーに対する影響力が大きいと感じるからだ。
 良くも悪くも下のカテゴリーの監督や選手、その保護者は高校野球を見ている。
 僕も高校球児の時は周りが見えていなかったので、偉そうなことは言えないのだが、ぜひそんなことにも挑戦してもらいたい。

 僕は野球はマイナースポーツだと思っている。世界規模で見れば発展途上のスポーツだと思っているし、まだまだ可能性が広がっていくことに期待している。
 僕自身がそのことにこれから貢献出来たらいいなと思っている。そして、高校野球も含め日本の野球の進化が楽しみだ。
 2021年春
 

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