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ビジネスの成功には一蓮托生の思想が必要


ビジネスを行なっていると、相対する顧客と自社の関係だけでなく生産者からはじまり顧客につながるサプライチェーンの全て密接につながっていることを実感することがあります。

好況時には気付くことはあまりありませんが、この一年の様な危機の状態になった時、商品やお金の流れが滞ることがあります。ある企業が苦しい状態になっていると知らされることがあります。その場合にふと自分は目の前のお客様とだけでビジネスをしているのではないと気づかされます。


自分のビジネスに関わって頂いている全ての方々と行動や運命をともにする一蓮托生で生かされていると気がつくのです。


フランチャイズビジネスに長年携わっていますが、まさに本部と加盟店は一蓮托生です。お互いが高めあって市場に認められるビジネスのはずです。

本部も加盟店も取引先も成功も失敗も全ては共有されるのが原則。ある店の従業員のトラブルは、その当事者もちろん問題あります。もちろんその店やその従業員に問題はあるけれども単に処分をするのではなくそうなったのは本部側にも問題はなかったか。

権力を持った本部。権力のある本部の言うことを聞かない加盟店に報復的な対応や制裁を加えるようなことを行ってはいないだろうか。チェーン店に関するニュースをみる度にその本質である一蓮托生について考えさせられます。

一蓮托生の考え方はビジネス全般にも当てはまります。まず相手を儲けさせる、成功していただくということを考える利他の精神が必要です。

相手が儲けることでさらに豊かになり余裕ができていいビジネスができる。それがまた自分のところに戻ってきます。利他の精神ともいいますし、たらいの桶の理論とも言われます。



たらいに水を入れて相手にどうぞどうぞと水を送ると、たらいの周囲を回って水は自分のところに来ます。水をクレクレと手前に描き続けると自分のところから抜けて相手の方に回ります。



ビジネスの場だけではなく、人間関係や国家運営についてもそれがあてはまるります。自分の野心や野望のために国家や会社や組織があり。国民や取引先や顧客は自分が評価されるため、自己実現をもたらせるための手段である。その様な驕りや慢心が不信や不満の温床となりトラブルの引き金となります。

正しく経営をし利益という果実を得るならば、正しい原因作りが必要です。結果を得るために手段を選ばずという姿勢では、一時的な利益を得られたとしても永続することは決してありません。これは歴史が証明しています。

では、どんな原因作りをすればいいのかということですが。原因作りには、根本的な考え方や想いからスタートし、それを実現するための手段としてスキルや手法を身につけレベルアップを図ります。

根本的な考え方や思いが、ネガティブであれば得られる結果もネガティブになります。例えば、ビジネスの価値観や原動力が恨みだとしたら恨みを生み出す結果しかできないでしょう。他者から比較されたい承認されたいという欲求からスタートすれば、成功の基準が他者に勝ったかどうか、承認をされたかどうかになります。

土台となる考えや思いが、自分が納得できる正しいことなのか、世の中の他者のお役に立てれることなのかよくよく確認と検証が必要です。もちろん事業のスタートはいい生活をしたいというささやかな想いでスタートしているかも知れませんがどの道程において自分の成功だけ考えていてもうまくいかない。影響ある方々、広く見れば世の中と一蓮托生だと気づくはずです。その時が事業のプロセスを見直すチャンスです。

その際には、変えられることに時間と労力を使います。
つまり、過去と他人は変えられませんが未来と自分は変えることは可能です。そのために今このタイミングで根本をフォーカスすることです。

ビジネスを行なっていると取引先やパートナー企業との意見の相違が発生することもあります。方針が違う企業がお互いの利と社会の利に向かってビジネスをしていればいいのですが。時に自社の利を求めるばかりに相手にとっては害となることを押し付けてしまいます。

強い側や権力を持つ側が弱い側に対して圧政を行えば。弱い側は泣き寝入りをさせられるか離脱をするか、反旗を翻し骨肉の争いになってしまうことになります。係争となれば生産性が低く双方にとっての利を生まないばかりか遺恨を残すことになります。

また当事者以外にも大きな影響を及ぼすことになるのです。強者側がみせしめの為に弱者に対して行なったことは決してその二社間の問題では終わりません。その姿を見た他の企業や顧客がなんと思うか。それまでの長い信頼の積み重ねを損なうことになる場合もあります。
その企業の終焉の始まりの鐘を鳴らすことになります。

仮にトップがそのような判断を下した際に、周囲に諫言できる人がいないとすれば、転落のスタートとなるでしょう。ローマ帝国やキングダムで馴染みのある秦始皇帝に平家や織田信長、大日本帝国など国家の崩壊の歴史でも物語っています。

国家や大企業ほどの規模でなくとも、スモールビジネスだからこそビジネスの流れで生かされている。関わる方々とは一蓮托生であるという想いを忘れずに持ちたいものです。

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