内なる格差と外との格差

格差社会に関する国際的な視点での一つの見方。
『個人の生涯収入を最もよく説明する要因は、個人の教育でも両親の教育でもなく、出生地である。(中略)自分の子供にとって経済的に安定した生活を求めるならば、最善の方法は、自分の子供がドイツやスウェーデン、デンマークで確実に生まれるようにすることである。これは、結局のところ名門大学の学位やビジネスの成功、または子どもの数が少ないことよりも一層重要である。出典:”アフター・ヨーロッパ” イワン・クラステフ著 岩波書店』
 これはヨーロッパで起きている移民問題やトランプ大統領の壁造りに関する説明として核心をついている。日本における外国人労働者の問題とも無縁ではない。しかし、この視点から見れば日本の中の格差社会は「コップの中の嵐」と言う事になるが、それも違うように思える。国内/国際と重層的な格差社会があるとしてプライオリティが高いのはどちらかと問われたら答えに窮する。これを「内が重要に決まってるじゃないか!」と励ましてくれるのがポピュリズムというものなんだろう。

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