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ダウジング詐欺にはご用心!!

 ダウジング(dowsing)は、地下水や貴金属の鉱脈など隠れた物を、棒や振り子などの装置の動きによって発見できると主張する手法です。ダウジングには振子を使ったペンデュラム・ダウジングや、L字形・Y字形の棒を使ったロッド・ダウジングなどがあります。ダウジングが科学だと主張する人達がいますが、ほとんどの場合、ダウジングには再現性がないので、この方法は非科学または未科学領域の手法だと考えられています。

 しかし、根拠のない民間療法が中々無くならないのと一緒で、ダウジングも消滅せずに生きながらえています。18世紀以降には科学者によるダウジング検証実験が何度も行われ、ダウジングは筋肉の無意識な運動として科学界からは懐疑的に見られています。しかし、特に水脈の発見に関しては、近代に入ってもダウジングが廃れることはありませんでした。非公式ですが、日本でも武蔵村山市の水道担当部署で使われたことがあるそうです。

 Wikipediaには、ダウジングを使った次のような詐欺の話が紹介されています。2010年、イギリスのある会社が、手に持った金属棒などで地下に埋まっている物を検知するダウジングの“原理”を用いて偽の検知機を作成しました。この機械を高性能爆弾探知機「ADE 651」と称して販売し、日本円で数百億円になる売上を得ていたそうです。もちろん、この装置に爆発物に反応するような機能はなく、イギリス警察当局から詐欺容疑で製造販売会社の社長が逮捕されました。

 この機械は海外にも輸出されていて、イラク、パキスタン、レバノン、ヨルダンなどにも輸出されたといい、多くの国々が詐欺被害にあいました。科学的な知識がないと、このように簡単に騙されてしまいます。騙されないためには、最低限の科学的知識は必要です。

 私はアメリカで買ったダウジングの本を一冊だけ持っています。日本語に訳すと『ダウジング完全ガイド』です。この本には、主に地下水探査のことが書かれていて、ダウジング部分は怪しいですが、地下水関連の地質や地形についてはまともなことが書かれています。たぶん、この著者はダウジングではなく、地質学的な知見で地下水を探しているような気がします。


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