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未来系ドリンクサーバ 『分子飲料プリンタ』

3D プリンタは固体で立体を作るプリンタですが、なんと”液体”のプリント(コピー)ができるプリンタが実用化されたようです。3Dプリンタの用途は幅広く、一般的には模型の製作に使われますが、最近では”建築物(家)”や”人工血管”なども作れたりします。しかし、飲料まで再現してしまうとは驚きです。

余談ですが、一般的には”プリンター”と記述されることが多い印刷機能を持つ機械のことを、理系の人たちは”プリンタ”と、長音記号を省略して書きます。そのため、理系の人が書いた文章は、長音記号の有無でだいたい判断できます。

コーヒー・ジュース・お茶・水・アルコール飲料などの飲料産業は、全世界で2兆円規模をマーケットを持つ巨大産業です。しかし、パッケージングを含む飲料産業全体のCO2排出量は年間5億4300万トンにも上ります。その大部分を占めるのは、水の製造やパッケージとなるプラスチックや缶の製造、さらには流通によるものです。つまり、飲料産業は二酸化炭素排出量が多い産業とも言えます。

世界各地の工場で飲料を製造して流通させる代わりに、自宅の水道水を使い、好きな飲料を自由につくることができたら、飲料産業による環境負荷(二酸化炭素排出量)を抑制することができるのではないか?。そのようなアイデアから生まれたのが、どんな飲み物でも家庭で作れる『分子飲料プリンタ』(Molecule Beverage Printer)なのだそうです。この装置を開発したのは、カナダに拠点を持つCana Technology, Inc. (カナ テクノロジーズ)と言うベンチャー企業です。

それぞれの飲料の味は複雑ですが、味を基本的な構成要素に分解すると30種類くらいの分子になるそうです。これらの構成要素の配分を変えることで、任意の味の飲料が作れます。SF映画や小説では、このようなシーンを見ることがありましたが、既に開発されて2023年度の後半には北米を中心に事業展開されるそうです。

この分子飲料プリンタがあれば、一台で様々な飲料を再構成することが可能です。まさに、未来系ドリンクサーバです。日本での事業展開は未定だそうですが、ドリンクバーがあるファミレスでは流行るかもしれません。これで二酸化炭素排出量を削減できれば万々歳ですが、今後の推移を見守りたいと思います。

でも、こんなのが一家に一台あれば嬉しいですよね。スーパーやコンビニに行く手間が省けますし。

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