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ミリしら物理探査#2 『しんたん』

 『しんたん』を変換すると、心胆・薪炭・震旦・浸炭・深潭などが出てきますが、どれも違います。物理探査の『しんたん』と言えば、震探つまり地震探査(じしんたんさ)のことです。

 地震探査は、地震(の被害)の悪いイメージから、最近では弾性波探査と呼ばれることが多くなっていますが、石油探査の分野では相変わらず震探が一般的です。

 実は震探には大きく分けて反射波に着目した反射法と、屈折波に着目した屈折法があります。石油探査では圧倒的に反射法が使われていますが、ダムやトンネル工事の前の土木調査の分野では屈折法がよく使われています。探査対象や研究領域が変わると、使われる探査方法も変わります。

 確かなことは分かりませんが、タイトル図は道路脇の地盤調査のようなので、屈折法を実施しているようです。屈折法だと弾性波が届く範囲が深くないので、図のような人力(ハンマーによる打撃)による人工地震で十分です。ただし、石油探査のような大規模調査の場合は、発破震源(ダイナマイト)や機械震源(バイブロサイス)が使われます。

 金額ベースでいえば、弾性波探査・反射法が物理探査の王様です。最近の統計は知りませんが、少し前の統計では、世界の探査費用の90%以上が反射法に使われていました。下世話な話ですが、やはり出てくるものがお金になる石油・天然ガスなら、かける費用も大きくなります。

 最近、震探にはニューフェイスが登場しています。それは、天然の常時微動を使う探査法です。通常は正三角形の頂点と重心に、アレイ状に地震計を配置するので、微動アレイ探査と呼ばれています。

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