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教えるためには10倍の理解が必要?

大学教員のメインの仕事に、授業(講義)があります。大学では、高校までとは違い、専門に特化した科目を学ぶことができます。私は”物理探査学”が専門なので、学部や大学院での物理探査関連の講義を担当しています。少し前には、基幹教育(昔は教養教育と言っていました)の物理関連の授業も担当していましたが、いまは”アジア埋蔵文化財学B”というオムニバス形式の授業の1回分(遺跡探査)だけを担当しています。

人にモノを教えることは本当に難しいです。大学の教員になったら、いきなり授業や実験を担当させられましたが、”人に教える訓練”は全くしてこなかったので、最初は本当に大変でした。今でも、もちろん大変ですが・・・。

”人に何かを教えるためには、その人の10倍の理解が必要”だとよく言われます。この10倍の部分は、定量的に正確な値ではありません。そもそも、知識量や理解度を数値で表すことが難しいからです。この”10倍”は、”かなりの”くらいの意味です。

授業の進め方に悩んでいた時に、恩師に相談すると「生徒より少しだけ分かっていれば大丈夫ですよ」と言う温かいアドバイス?を頂きました。このアドバイスを聞いた後からは、少し肩の力が抜けて気負わなくなりました。

世の中にはいろんな勉強法がありますが、間違いなく最も学びになるのは「人に教えること」です。10倍の理解度は必要ありませんが、教える生徒を納得させられるだけの理解度は必要です。そのためには、必然的に勉強せざるを得ません。

結局、自主的に学ぶことが一番の勉強になります。

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