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明日は七夕 天の川とヘラクレス

明日の7月7日は七夕たなばたです。この日は年に一度、織姫おりひめ彦星ひこぼしとが会える貴重な一日です。

七夕は”しちせき”とも読み、古くから行われている日本の行事です。 毎年7月7日の夜に、願いごとを書いたカラフルな短冊や飾りを笹の葉につるし、星にお祈りをする習慣が今も残っています。私も子供の頃、笹に七夕飾りをして、七夕が終わった翌日に、笹ごと川に流しに行ったことを覚えています。今なら、不法投棄になりますが・・・。

琴座のベガと呼ばれる織女しゅくじょ星は裁縫の仕事、わし座のアルタイルと呼ばれる牽牛けんぎゅう星は農業の仕事を司る星と考えられていました。 この二つの星は、旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、この日を一年一度の巡り合いの日と考え、七夕ストーリーが生まれたそうです。

ところで、”天の川”は我々の銀河系の中心部の恒星密度が高い部分にあたります。どうして銀河系の中心部が見えるかというと、我々の太陽系が銀河系の端にあるからです。都会では夜でも明るいので、天の川を見ることは至難の業ですが、田舎にいた子供時代にはきれいに見えました。

天の川は、英語では milky way で、直訳すれば”ミルクの道”となります。それでは、このミルクとは何なのでしょうか?。これには、ギリシャ神話が関係しています。ギリシャ神話の最高神・ゼウスは、全知全能の神様ですが、とにかく女好きです。ヘラという立派な奥さんがいるにも拘わらず、ゼウスは様々な女性(神様や人間)にちょっかいを出します。

あるとき、ゼウスはとある既婚女性が気に入り、女性の夫に変身して一夜を過ごします。そうして生まれたのが、怪力無双のヘラクレスです。ヘラクレスは半神半人ですから、その力は赤ちゃんの時から際立っていました。ゼウスは、ヘラを言いくるめてヘラクレスの面倒を見させることにしました。ヘラは仕方なく、ヘラクレスに授乳するのですが、吸い付く力が尋常ではありません。ヘラは思わず「痛い!」と言って、ヘラクレスを引きはがします。その時に、ヘラの胸から母乳がほとばしりました。その時の母乳が、”ミルクの道”になりました。

街中では星が見えないので”人と星の関係”は疎遠になっていますが、大昔は暗い夜中に光をもたらす星の輝きは、とても身近だったと思います。そんな身近な星々だからこそ、天の川伝説が生まれたのだと思います。

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