見出し画像

早朝の月 「月が綺麗ですね」

今朝、車での通勤途中に、ふと見上げると、正面に満月が見えました。10月10日が満月だったので、正確には満月ではありませんが、”ほぼ満月”状態でした。

月齢15日目の満月を過ぎるようになると、朝方、西の空に月が見えるようになります。今日見たのも、この月です。これから10日ぐらいは、昼間でも太陽の進んで行く手前に見えるそうです。また、日を追うごとに月が欠けていくので、その変化が見られます。日本人は、月に関心が高かったようで、一日ごとに変化するつきの満ち欠けに、それぞれ名前を付けています。

月は地球の衛星ですが、特殊な成り立ちをしています。これは、地球の成り立ちとも深い関係があります。その昔、太陽の中心を回り始めた原始地球に、火星規模の天体が衝突しました。その衝突によって、原始地球とその天体はバラバラになり、それが再構成されて現在の地球と月になったのだそうです。この説を『ジャイアントインパクト説』といいます。ただし、誰一人としてそのイベントを実際に見たことはありませんので、間接的な証拠からこのような説が唱えられています。

現在の月と地球の距離は38万kmです。光速で移動しても、1.3秒ほどかかります。そんな月は、少しずつ地球から遠ざかっています。その速度は、年間3cm程度です。つまり時間を遡れば、月ができた当初は、地球にかなり近い距離にあったことになります。月が地球から離れていく大きな原因は、地球と月の間に働く潮汐力によって、地球の自転が遅くなることが原因らしいです。

ある計算によると、10億年前であれば今より約10パーセント近く、距離が短かったという結果が出ています。また、20億年前であれば約16パーセント、30億年前なら約30パーセント短かったという計算結果になっています。人類の歴史は高々数十万年ですから、昔の大きな月を見た人はいません。

夏目漱石が、”I love you."を”月が綺麗ですね”くらいに訳しとけ、と言った話が伝わっていますが、もちろん”夜空の月”というシチュエーションを想定してのことでしょう。今朝見たような早朝の月では、ロマンチックとは程遠いかもしれません。しかし、朝まで同衾どうきんした場合なら、「月が綺麗ですね」というセリフも成立するかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?