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どんな資料も”いつか”役に立つ

タイトル画のアルタミラの壁画は、社会の教科書にも出てくるような有名な洞窟壁画で、ユネスコの世界遺産に登録されています。この壁画は旧石器時代末期のもので、野牛・イノシシ・馬・トナカイなどの動物が生き生きと描かれています。この壁画が発見されたことで、その当時の人の生活様式(狩猟生活?)や動物の種類などがわかりました。何のために描かれたかは不明ですが、歴史的な貴重な資料です。

その当時は何でもないモノでも、年月が経てば貴重な資料となるものは少なくありません。ここでは一括りに”資料”と呼ぶことにしますが、資料には絵(動物・人間・手形など)・文字(記号も含む)・生活用品(土器・青銅器・鉄器など)があります。どれも、その当時の生活を知る手掛かりとなる貴重な資料です。

日本の古い木造建築は、それ自体も貴重な資料ですが、解体修理する時に”当時の大工さんの落書き”などが発見されることがあります。これも立派な資料です。大河ドラマでも取り上げられた山本勘助は、武田信玄に使えた軍師ですが、実在が長い間疑われていました。しかし山本勘助への書状が2008年に発見されたことで、山本勘助が実在の人物であることが確定しました。このような手紙(書状)も価値のある資料です。

地中海にアンティキティラ島という島があって、その近海の沈船から謎の機械が発見されました。この”アンティキティラ島の機械”と呼ばれる遺物は、古代ギリシア時代のもので、天体運行を計算するため作られた手回し式の太陽系儀であると推定されています。この遺物は、それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指す、オーパーツと考えられています。

オーパーツ(場違いな工芸品)には偽物も結構あって、”アステカの水晶髑髏”が有名です。これは当初オーパーツと考えられていましたが、詳しい調査で現代の研磨機による痕跡が見つかって、偽物であることがわかりました。こんな偽物でも、”偽物が作られた証拠”の資料となります。

ここまではアナログの資料について書きましたが、デジタル資料も大事です。こんな役に立たないブログでも、数百年後くらいには資料的価値が出てくるかもしれません。これが私がブログを書く理由の一つでもあります。

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