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杉能舎の大吟醸

 九州大学の伊都キャンパスのすぐ近くに、浜地酒造という造り酒屋があります。屋号は、杉能舎すぎのやです。この造り酒屋を知ったのは、今から20年以上前の、九州大学がまだ箱崎にいる時でした。

 その当時、この付近の地下水の状態を調べるため、福岡市西区の元岡・桑原地区の地下水探査をしていました。誰が教えてくれたのかは忘れましたが、調査地の近くに日本酒の造り酒屋があって、当時は珍しいクラフトビール(地ビール)を作っていることを知りました。その当時は珍しいという話題性が先行していましたが、味も本格的で、本店で飲めますが、福岡空港でも飲むことができます。

 地下水探査を終えたあとに、当時の探査メンバーで浜地酒造を訪ねてみることになりました。浜地酒造は、タイトル図のような趣のある木造の店構えで、大きな杉玉が飾ってあったのを覚えています。店内に入ると、ここで作られた日本酒が展示されていました。小さなお猪口で試飲できるとのことで、普通の清酒と大吟醸を頂きました。

 普通の清酒も十分美味しいのですが、大吟醸は別格でした。たしか酒米には山田錦を精米したものを使っていて、水は元岡の地下水を使っています。米も水の良いのでしょう。ここの大吟醸は雑味が無く、口の中でワインのようなフルーティーな香りがしました。大吟醸は4合瓶でも結構なお値段ですが、この味に魅せられて一本買って帰ることにしました。

 試飲の時に教えてもらった日本酒の最適な温度は、今でも記憶に残っています。日本酒の最適温度は、「室温マイナス5度」だそうです。冷やし過ぎると日本酒本来の味が分からなくなるので、この温度がベストだそうです。正確に実行したことはありませんが、少し冷蔵庫で冷やした後の大吟醸は格別でした。グルメライターではないので例えが悪いのですが、高級な白ワインのような味わいでした。

 この浜地酒造では、九州大吟醸という九大ブランドのお酒も造っています。この酒のネーミングは秀逸で、”九州大・吟醸”と”九州・大吟醸”のダブルミーニングになっています。九州大吟醸は糸島産山田錦を40%まで精米し、吟醸造りにした大吟醸です。原料の一部には農学部附属農場の酒米も使われているそうです。優しいのど越しと果実を思わせる甘い香りが特徴の薫酒(青)と、芳醇でキレの良い酒質にこだわり醸造された醇酒(白)の二種類があって、浜地酒造の本店や九州大学生活協同組合のほか、インターネット、福岡空港や百貨店などで販売しています。

 私は両方とも飲んだことがありますが、どちらも美味しいです。しかし、個人的には青がお薦めです。ちょっと値段は高めですが・・・。

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