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ピンコロ石 ”白い石”と”黒い石”

私も最近名前を知ったのですが、『ピンコロ石』という石がホームセンターなどで売られています。このピンコロ石は、玄関までのアプローチや庭のガーデニングエリアに設置されることが多い石です。ヨーロッパでは、美しい街並みをつくる石畳などに使われています。大きさは80mm~100mm程度で、ほぼ立方体の形状をしています。”ピンコロ”の名称の由来ははっきりしないみたいですが、サイコロと形が似ていることからこのような名称になったようです。ちなみに”ピン”はサイコロの1の目のことです。

ピンコロ石は天然石を切り出したもので、最も一般的なのは花崗岩かこうがんですが、玄武岩げんぶがんや砂岩などもあるようです。タイトル画からもわかるように、花崗岩は白っぽい色をしていて、玄武岩は黒っぽい色をしています。花崗岩も玄武岩も火成岩の仲間で、どちらもマグマ由来の岩石ですが、色が全く違います。これは成分の違いでもありますが、岩石のでき方の違いが大きいのです。

花崗岩は、地下深部で形成された深成岩と言われる岩石の仲間です。花崗岩は、黒雲母などのような有色鉱物を1割程度含みますが、主成分が石英と長石なので全体的に白っぽく見えます。また、地下深部でゆっくりと冷え固まったため、結晶(斑晶)が大きく成長しています。花崗岩は、大陸や島弧などの陸地を構成する岩石として非常に一般的で、大陸プレートは主に花崗岩で構成されています。

玄武岩は、地下浅部でできる苦鉄質火山岩の一種で、黒っぽい色の場合が多いが、ものによっては灰色に見えるものもあります。玄武岩は地表付近で急激に冷え固まるため、斑晶があまり発達していません。玄武岩の斑晶や石基としては、有色鉱物である輝石・かんらん石、無色鉱物である斜長石等を含みます。なお、海洋プレートは主に玄武岩で構成されています。

海岸などで見る白っぽい砂は真砂まさと呼ばれますが、これは花崗岩が風化してできた砂です。大泥棒・石川五右衛門の辞世の句に『はま真砂まさごきるとも盗人ぬすびとたねは尽きまじ』という句があります。これは、”海辺に無数にある砂がなくなっても、世の中に泥棒がいなくなることはないであろう”という意味です。

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