ミリしら物理探査#0 『物理探査』
ミリしらとは、ある物事について全く情報を持ち合わせていない状態、または、そのような何のことか全く知らない名称から自由に推測したりする遊びを指すそうです。ミリしらという呼称は「1ミリも知らない」の略だそうです。1ミリも物理探査を知らない人のために、物理探査学の用語を解説する記事を始めます。まずは、そもそも物理探査って何よ?、から始めたいと思います。
物理も探査も聞いたことはあるけれど、これをつなげた物理探査という専門用語を聞いたことがある人は少ないはずです。物理探査は、物理的な手法を使って地下を探査する科学的な方法の総称です。元々は、石油資源や鉱物資源を探す目的で研究されましたが、現在では防災などの土木分野、遺跡探査などの考古学分野、土壌・地下水汚染などの環境分野といった様々な分野で使われています。
「物理的な手法」には「物理的な性質」が関係します。物理探査では、目に見えない遠く離れた地下を探査するため、離れた場所へも作用する物理現象を利用します。その一つが波動です。波動は、振動が時間的・空間的に伝播する現象です。これを使った方法が、弾性波探査や地中レーダ探査です。弾性波探査では人工の地震波を使って、地中レーダ探査では電磁波を使います。このような波動を基礎にした探査法は、波動の反響を利用します。小型のコウモリやイルカでは、自ら発する超音波を使ってエサの方向や距離を把握します。これは反響定位と呼ばれていますが、人類が最近見つけた方法を数百万年前から使っています。
物理探査に利用されるもう一つの物理現象が、いわゆる遠隔力(ポテンシャル力)です。遠隔力は瞬時に(といっても光速で)伝わる力で、重力、磁力、クーロン力、電磁気力などがあります。これらを基礎とした物理探査が、重力探査、磁気探査、電気探査、電磁探査です。その他にも、放射能を測定する放射能探査や、温度を測定する地温探査などがあります。
これだけの説明で物理探査を理解することは難しいかもしれませんが、1ミリくらいは分かって頂けたでしょうか?。
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