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英語の勉強 不定冠詞について

 英語を習い始めた頃、不定冠詞aについては、母音の前だとanに変化するという基本ルールを習いますが、aanの使い分けの基本ルールには例外があります。

 母音で始まっている名詞または名詞句でも、子音の音で始まる名詞または名詞句には、a uniformのようにaを付けます。また、子音で始まる名詞または名詞句でも、発音されないhから始まる名詞または名詞句には、an hourのようにanを付けます。さらに、頭文字を取った略語が母音の音で始まる場合は、an FBIのようにanを付けます。受験英語では、aが標準形で、anが例外dだと習いますが、実は違います。元々はanの方が標準だったのです。

 不定冠詞a(an)は、一つを表すoneが語源です。つまり、one - an - a と変遷しました。現在は、anからaへの移行期で、既に大部分がaに移行した結果、anが例外的に見えているだけなのです。このような、例外的なものが実は古い標準形である例は、仮定法にも残っています。”If I were a bird, I would fly to you. (私が鳥だったら、あなたの元へ飛んでいくのに) ”の、wereがその例で、wereは古英語での標準形でした。

 実は、英語では不定冠詞aへの収斂が進行しつつあります。一部の方言(訛り)では、母音の前であろうと例外なく不定冠詞aを使うので、誤植ではなく”a apple”と言う場合もあるそうです。この場合のaはやや強めに”アッ”と発音されるそうです。読んだ本からの受け売り情報ですが、スタインベックの有名な小説『怒りの葡萄』(もちろん英語版の方です)の中にも、”a+母音で始まる名詞”のような表現がいくつか見られるそうです。

 "a apple"は、英語の試験では不正解になりそうな表現ですが、ある意味正解なのです。言語の文法は、生き物のように時間とともに進化していきます。定冠詞の”the”についても、”I play the guitar.”のように、楽器の前にはtheを付けると、口を酸っぱく注意されたのを覚えているでしょう。しかし、ネイティブの英語話者には、”I play guitar.” でも違和感がないらしいし、全く問題ないらしい。

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