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ミリしら物理探査#4 『MT法』

 MT法は、日本語では地磁気地電流法と言います。名前が長いので、通常はmagneto-telluric(地磁気-地電流)の二文字を取ってMT法と呼びます。

 地球は大きな磁石なので、地磁気という大きな磁場に常に晒されています。しかも、この磁場は一定ではなく、様々な要因で常に変化しています。その一つの要因が、大気中で起きる雷の放電現象です。雷が発生すると、その電磁波が電離層の間で共振して、特定の周波数成分が大きな磁場変動が生じます。これが、シューマン共振という現象です。

 また、太陽からは太陽風というプラズマ流(水素イオン)が地球に向かってきますが、この太陽風が地球の磁場と相互作用を起こして、磁場の変動を引き起こします。雷や太陽風が原因で磁場が変動すると、電磁誘導の作用で、地下に地電流が発生します。この地電流は、地表面での電場変化をもたらすので、この電場と磁場の比であるインピーダンスから、地下の比抵抗の分布が求められます。

 MT法は深部の地下探査に向いた探査法で、低周波の電磁場変化を観測できれば、地下深部の比抵抗分布が推定できます。通常の資源探査で必要な深度は深くても5km程度なのですが、MT法では50km以上、さらには100km以上での深部探査が可能です。ただしその場合には、低周波(長周期)の電磁場測定が必要なので、測定に時間がかかります。

 MT法は、フランスのCagniardや旧ソ連のTichonovが考案したとされていますが、そのアイディアの発端には、ある日本人の研究が関係していたことを最近知りました。この事については、いずれ別の記事で紹介したいと思います。

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