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地熱発電所巡り#2 大霧地熱発電所

 大霧地熱発電所のある霧島市牧園町と湧水町は、鹿児島の北部にあり、宮崎県との県境に接しています。こう書くと、大霧発電所がかなり辺鄙なところにある印象ですが、実は鹿児島空港が近くにあるため、東京からの出張には便利な場所にあります。むしろ、福岡から車で行く方が時間がかかってしまいます。

 大霧発電所は、北に栗野岳、東に韓国岳、東南東に大浪池を望む標高700~900mの丘陵地にあります。この周辺は自然豊かで、春の新緑、初夏のミヤマキリシマ、秋の紅葉、冬の樹氷で四季折々の自然美が楽しめます。また、近くには霧島温泉郷といわれる地域があり、約130の源泉が、浴用、給湯用、飲用等に利用されています。

 大霧発電所は、事業用として平成8年(1996年)に運転を開始しました。九州では、大岳発電所、八丁原発電所、山川発電所についで4番目、全国では10番目の地熱発電所です。発電部門を九州電力株式会社、蒸気部門を日鉄鉱業株式会社が担当し、両社で共同で運営されています。大霧地熱発電所は、地下1,000 〜 2,000mの深部から蒸気と熱水を取り出し、蒸気の力でタービンを回して発電を行なっています。発電能力は3万kWで、この発電所だけで約1万戸の家庭の電力がまかなえます。

  この場所には、地熱関連の委員会、流体流動電位法調査の視察、流体流動電磁法の地熱貯留層モニタリング実験などで、何回か訪れています。委員会で訪れた際には、国民宿舎に泊まりましたが、この国民宿舎には野生のイノシシが頻繁にやって来ます。私が泊まっていた時も、夕食時にイノシシが子連れで、餌をもらいに来ていました。あんなに間近でイノシシを見たのは、初めてでした。


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