見出し画像

世界”物探”遺産の旅#5 ポツダム

旧・東ドイツの都市ポツダムは、ポツダム宣言で有名な歴史的な町で、私が世界”物探”遺産に登録しなくても、本当の世界遺産に登録されています。ポツダム宣言は、1945年(昭和20年)7月26日にイギリス・ アメリカ・中華民国の名において日本に対して発された全13か条から成る、日本への降伏要求の最終宣言です。日本は1945年8月14日にこの宣言を受諾しました。その後、9月2日に日本が降伏文書に調印し、即時発効して第二次世界大戦・太平洋戦争は正式に終結しました。

タイトル画は、ポツダム会談の舞台、世界遺産・ツェツィーリエンホーフ宮殿です。ポツダムの郊外にたたずむツェツィーリエンホーフ宮殿は、現在は歴史が動いた瞬間を伝える博物館として、世界各国からの訪問者を迎え入れています。

私がポツダムを物探遺産に選んだのには、理由があります。それは、ポツダムで世界の重力の基準が定められたからです。地球上で絶対重力を測るためには、色々な手法がありますが、もっとも単純な方法はケーターの可逆振り子と呼ばれる実体振り子を利用した方法です。ポツダムでは、このケーターの振り子を使って、絶対重力(重力加速度)を測定しました。

ケーターの論文に載っている可逆振り子

重力加速度は振り子の長さと周期から計算できますが、今のように原子時計がなくて時間が正確に測定できない状況では、長期間の振り子の振動回数を測定して正確に周期を導き出すしか方法がありませんでした。私の記憶はあやふやですが、確か2-3年くらいの時間をかけて重力加速度を決めていたと思います。このポツダムでの重力加速度を基準として、ヨーロッパの主要都市での重力加速度が決められていきました。

ポツダムは、重力探査発祥の地と言っても過言ではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?