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資源価格の変動について

 石油や天然ガスなどの資源の価格は、経済や政治の状況を反映して変動します。アメリカで一時期『シェール革命』とまで言われたシェールガスやシェールオイルの開発は、今では下火です。これは、開発が過剰になって、供給が増え過ぎたためでした。このような、需要と供給のバランスが崩れて、価格が暴騰/暴落することが何度もありました。

 最初の石油価格の暴騰が、いわゆる『オイルショック』です。それまでの石油価格はメジャーと言われる7つの石油会社が牛耳っていました。この7つの会社が”ひそひそ話”で価格を決めることから、”セブンシスターズ”と呼ばれていました。しかし、OPECが徐々に力をつけて、1973年に中東の産油国が石油価格を一気に70%も引き上げました。これが第一次オイルショックです。

 これ以後、日本では”省エネ”が叫ばれるようになりました。中洲のネオンもこの時に消えました。日本政府はこの時、石油代替エネルギーの開発を目指した『サンシャイン計画』を立ち上げました。このサンシャイン計画の一部として、地熱開発が推進されました。その後、『ムーンライト計画』などもありましたが、地熱開発は思ったほど伸びませんでした。

 石油の話に戻りますが、現在は全く違う理由で、石油価格が上昇しています。世界各国では、新型コロナウイルスに対する景気刺激策を何度も行なっているので、石油資源に対する需要は堅調に推移していると言えます。しかし、新型コロナの感染拡大がなかなか終息しないため、資源流通のサプライチェーンが寸断され、さらに人材確保が困難になり、工場の稼働停止が増加しています。つまり、需要を満たすだけの供給が実施できていないのが石油価格上昇の理由です。

 ヨーロッパ諸国は、パイプライン経由でロシアの天然ガスを多く購入しています。今後どうなるかはわかりませんが、ウクライナ情勢が心配です。最悪の事態は想定したくないのですが・・・。 

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