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新プロジェクト始動

 2021年10月1日です。今日から、新プロジェクトを開始します。新プロジェクトと言っても、noteブログの記事のことではありません。

 九州大学の私の研究室では、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の委託を受けて、物理探査に関する新しいプロジェクトを始めることになりました。このプロジェクトは、再生可能エネルギーである地熱エネルギーの探査の効率化を目的としたプロジェクトです。

 日本は世界第3位の地熱エネルギーのポテンシャルを持つ、地熱の有望国ですが、実際の地熱発電の発電量は2020年末では世界で10位です。一時期は世界7位でしたが、アイスランドやケニヤなどに抜かれてどんどん順位を下げて行きました。このまま行くと、ベスト10に残れない可能性もあります。日本政府は、地熱発電の目標を2030年度に1500 MWと設定しました。しかし、今のままでは到底達成できません。

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 地熱開発が進まない理由は山ほどありますが、その中には技術的な問題もあります。日本は火山国なので、地熱活動は活発なのですが、火山噴火や地震などで地下の地質構造が複雑になっています。これが有望な地熱貯留層を捜せない理由の一つです。また、石油では弾性波探査・反射法という切り札がありますが、地熱には切り札的な方法が長らくありませんでした。しかし電磁探査のMT法(地磁気地電流法)が、地熱の主力探査法として育ってきました。

 本プロジェクトは、このMT法に関するプロジェクトです。今日はプロジェクトの初日で、このプロジェクト用にレンタルした工学部のコラボスペースの下見に行ってきました。この部屋が今後のプロジェクトの秘密基地になる予定ですが、いまは実験装置や机もなく、伽藍洞がらんどう状態です。詳細は、追々紹介する予定ですので、物理探査や地熱探査に関心のある人は、乞うご期待です。

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