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サン=デグジュペリと象とウワバミ

 アントワーヌ・マリー・ジャン=バティスト・ロジェ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine Marie Jean-Baptiste Roger, comte de Saint-Exupéry)は、フランスの作家で、飛行機のパイロットでもありました。彼は、郵便輸送のためのパイロットとして、欧州-南米間の飛行航路開拓などにも参加しました。

 サン=テグジュペリは、26歳で作家として本格的にデビューし、自分のパイロットとしての体験に基づいた作品を発表します。1935年、彼はフランス-ベトナム間最短時間飛行記録に挑戦しますが、機体トラブルでサハラ砂漠に不時着します。一時は生存を絶望視されますが、3日後に徒歩でカイロに生還しました。この時の体験が、後に書かれた『星の王子さま』に反映されました。

 せっかく帰還できたサン=テグジュペリですが、その後の飛行で帰還できず、消息不明となりました。彼の行方は永らく不明でしたが、半世紀以上過ぎた1998年9月7日、地中海のマルセイユ沖にあるリュウ島近くの海域で、サン=テグジュペリの名と、妻コンスエロの名などが刻まれた、銀製のブレスレットがトロール船によって発見されました。

 サン=テグジュペリは今でもフランスでは大人気で、通貨がユーロに切り替わる前は、50フラン札に肖像が描かれていました。『星の王子さま』の中では、主人公の王子さまが難解なクイズが出します。「これなんだ?

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 分かるはずはありませんが、答えは、「象をこなしているウワバミ」です。分かりやすく言えば、象を丸呑みして消化している大蛇です。この答えは、実はタイトル図にあるお札の中にもチャッカリ描かれています。このエピソードは、星の王子さま最大の名言『本当に大切なものは目では見えない』を説明するためのものです。星の王子さまや、その作者であるサン=テグジュペリは、物理探査を知らなかったと思いますが、物理探査は『目に見えない大切なものを見えるようにする』科学的な方法です。

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