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"ニオイ"を使った地下探査

物理探査は、地下の岩石や土壌が持つ物理的な性質(物性)の違いを基にした間接的な探査法です。例えば、磁力や重力は遠方まで届くので、岩石や地下水などの標本(サンプル)を使わずに、地下構造の推定ができます。

反対に、地質学は地表に露出した岩石や、ボーリングなどで出てきた岩石資料を必要としますし、地球化学では地下水や土壌ガスなどの資料が必要です。現在の地球化学での成分分析では、ppm(百万分率)やppb(10億分率)などの高精度で行われます。

具体的に言うと、温泉の地球化学探査では大気中のラドン濃度が測定されるし、金鉱床の探査などでは地下から上昇してくる水銀を測定します。このような地下から上昇してくる物質を検出して探査する方法は、昔からありました。

その昔、アメリカで油田開発が次々と行なわれたころには、『石油ぎ』と呼ばれる職業があったそうです。日本で言えば、山師やましに当たるかもしれません。”石油嗅ぎ”達は、自慢の鼻で石油の有望地点を探したそうです。「そんな馬鹿な」と思われるかもしれませんが、地表まで石油が浸みだしているような場所では、石油特有の匂いがするはずです。経験豊富な石油嗅ぎなら、その臭いを嗅ぎ分けられたでしょう。しかし、地下深部にある石油に関して言えば、石油嗅ぎは無力でした。

石油嗅ぎに代わって登場したのが、各種の物理探査法です。特に石油探査の分野で活躍しているのが、人工地震を利用した地震探査(弾性波探査)です。しかし、その弾性波探査を使っても見つけられないような深部の石油貯留層が最近のターゲットです。そのため、電磁探査などが補助的に用いられています。

実は私は嗅覚が自慢で、帰宅時の玄関先の匂いで”夕飯の献立”がほぼ当てられます。しかし、嗅覚が鋭敏過ぎるため、デパート一階の化粧品売り場は苦手です。私自身は化粧品とは無縁ですが、デパートに行けば一階を通らずに、上の階に行くことはできません。止むを得ず化粧品売り場を通る時には、呼吸を止めて速足で移動します。

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