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ミリしら物理探査#1 『でんたん』

 『でんたん』は、電気探査の略で電探と書きます。電気探査は、地中に電流を流す能動的な方法と、ある種の鉱体が発する自然の電気現象を観測する受動的な方法に大別できます。ただし、『でんたん』という場合は、人工的に電流を流す比抵抗法を指す場合が一般的です。狭義では、電気探査は比抵抗を指します。

 比抵抗法では、地面にプラスとマイナスの2本の電流電極を指して、電流を流します。地面に電流が流せるの?、と思うかもしれませんが、ある程度高い電圧をかけると電流を流すことができます。電流を流すと同時に、2本の電位電極を使って、2点間の電位差を測定します。この時の電位差と電流の比に電極の位置関係に依存した係数をかけると、地下の平均的な比抵抗である見掛比抵抗が計算できます。

 見掛比抵抗は、あくまでも見掛け上の比抵抗なので、地下の真の比抵抗を求めるためには、コンピュータを使ったデータ解析が必要です。

 アメリカとの太平洋戦争の時代には、『でんたん』は別の意味で使われていました。それは知機、つまりレーダのことです。米軍はいち早くレーダを開発して実践配備していましたが、日本は開発が遅れていました。このレーダの性能差が、戦艦や航空機による洋上戦の勝敗を分けたと言われています。

 アメリカ製のレーダには日本人の八木博士が発明した八木アンテナが使われていましたが、日本製のアンテナには使われていませんでした。海外のものを有難がる日本人の傾向は、昔から変わっていないみたいです。

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