見出し画像

電気と動物の関係

電気探査・比抵抗法では、地面に電気を流して測定するので、感電には注意が必要です。電極や電源コネクタを素手で触ることは厳禁ですが、故意ではなくても”うっかりと”触ってしまうことはあります。私も2回の感電経験があります。

この記事を書いているので私自身は生きていますが、場合によっては感電で死んでしまう場合もあります。感電死の研究や実験はおいそれとはできませんが、ネットで検索してみると『各種動物の電撃による間代性痙攣および致死に関する研究』:佐藤栄(日本獣医畜産大学)・渡辺久夫(東京都畜衛生検査所)という論文を見つけました。

この論文では、100V(交流50Hz)付近の出力電圧で、どれだけの電流(数百mV )を流せば動物(牛や馬など)が死に至るかの実験をしています。この論文によれば、大型の牛馬や小型の犬猫ともに500mA程度の電流で死に至ることが示されています。

電気探査のフィールド実験では、最高で700Vで11Aの電流(交替直流)を地下に流したことがあるので、直接この電流が流れていれば、人間でも即死でしょう。ただし、地面に流れた電流は3次元的に四方八方に流れていくので、地面の中の電流密度はそんなに大きくはありません。なので、地面を手で触っても痺れることはありません。ただし、電極間近の地面を触ることは推奨できません。

”水中に電流を流してする漁法”は日本では非合法ですが、海外では『電気ショッカー』と呼ばれる電気による漁法があります。電気ショッカーは通常の漁法ではなく、増え過ぎた外来魚の駆除などに使われているようです。池・湖・沼などの水は導電性なので、電気がよく流れます。それを利用したので電気ショッカーです。

何十年も前のことですが、ある調査でCSAMT法の送信源のため、沼の近くに電流電極を配置して大電流を流したそうです。その電流の影響で、沼の魚がプカプカ浮いて来て、それを見つけた近隣住民が警察に通報したことがありました。駆け付けた警察官は、電極を引き抜いて、”犯人”を捜したそうです。結局、電極を設置した”犯人”は見つかり、その後、派出所でしっかりお説教されたそうです。しかし、何も知らないとはいえ、いきなり電極を引き抜いた警官は”ラッキー”でした。もし、通電中であれば感電していたかもしれません。

現在、地面に大電流を流す場合は、湖沼の水際は避けることになっていますし、電極の周りには注意喚起の”危険と書いた張り紙”などが置かれています。また、その近くには人が出入りしないように、見張りを置いたりもします。

感電死するほどではありませんが、冬場のエレベータのボタンや車のドアなどでの静電気は嫌なものです。何とかできないでしょうか?。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?