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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#反射法

ミリしら物理探査#29 受動と能動

  物理探査には数多くの手法がありますが、2つに大別すれば受動的な方法と能動的な方法に分けられます。受動的(passive)な方法は、自然(天然)の物理現象を利用する方法で、能動的(active)な方法は、人工的な送信源を利用する方法です。  例えば、電気探査ではSP法(自然電位法)は受動的な方法になりますし、比抵抗法はトランスミッタを使って地面に電流を流すので能動的な方法になります。  また電磁探査では、MT法(地磁気地電流法)は、自然の電磁場応答を利用するので受動的な

ミリしら物理探査#23 デコンボリューション

 謎の言葉”デコンボリューション”を初めて聞く人には、語感からは全く何も想像できないと思います。音だけなら”デコレーション”に似ていますが、意味は全然違います。  デコンボリューション(deconvolution) の意味を理解する前には、デ(de)を取ったコンボリューション(convolution)を理解する必要があります。コンボリューションは、畳み込みまたは畳み込み積分と呼ばれる数学的な操作です。コンボリューションは、関数 g を平行移動しながら関数 f に重ねて、掛算