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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#自然電位法

ミリしら物理探査#29 受動と能動

 物理探査には数多くの手法がありますが、2つに大別すれば受動的な方法と能動的な方法に分けられます。受動的(passive)な方法は、自然(天然)の物理現象を利用する方法で、能動的(active)な方法は、人工的な送信源を利用する方法です。  例えば、電気探査ではSP法(自然電位法)は受動的な方法になりますし、比抵抗法はトランスミッタを使って地面に電流を流すので能動的な方法になります。  また電磁探査では、MT法(地磁気地電流法)は、自然の電磁場応答を利用するので受動的な

ミリしら物理探査#3 『SP法』

 SP法のSPは、Self Potential(自然電位)の略で、日本語では自然電位法です。またSPは、Spontaneous Polarization(自発分極)の略語とも言われています。  ある種の鉱床(硫化物鉱床やグラファイト鉱床)は、自然状態で分極しているので、地下で自然の電池のような振る舞いをします。そのため、ある基準点からの自然電位を測定すれば、鉱床の存在範囲が推定できます。SP法は、このような自然発生する電位に着目した方法です。  SP法は電気探査の一種です