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ミリしら物理探査

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物理探査を1ミリも知らない人に、物理探査に関する専門用語を解説します。
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#地中レーダ

ミリしら物理探査#34 遺跡の探査

 Wikipediaには、”遺跡とは過去の人々の生活の痕跡がまとまって面的に残存しているもの、および工作物、建築物、土木構造物の単体の痕跡、施設の痕跡、もしくはそれらが集まって一体になっているものを指す”と書いています。つまり、遺構や遺物が過去の痕跡として残存している場所が、遺跡になります。  遺跡探査では、遺跡の地下にある遺構や遺物を探します。遺構には、古墳・住居址・水田跡などがあり、遺物には鉄剣・銅鏡・馬具などがあります。物理探査でこれらの遺構や遺物を探す場合には、遺構

ミリしら物理探査#17 誘電率

 誘電率(permittivity)は、物質内で電荷とそれによって与えられる力との関係を示す係数です。簡単に言うと、電気の貯め易さを表わしたパラメータです。各物質は固有の誘電率をもち、この値は外部から電場を与えたとき物質中の原子や分子がどのように応答(誘電分極)するかによって定まります。この性質を利用して電気を貯める電子部品が、コンデンサ(キャパシタ)です。  誘電率は、地下構造を推定する物理探査では、重要なパラメータの一つです。金属鉱床の探査を得意とする強制分極法(IP法